2015年~2017年バックナンバー
メルケル連邦首相の訪日
メルケル・ドイツ連邦首相の来日は、平成20年の北海道・洞爺湖サミット以来となります。
もっとも、日本もドイツもG7のメンバーですから、毎年会談はしています。
ドイツは平成27年の主要7カ国(G7)サミット議長国で、日本は平成28年の議長国です。
日本とドイツで、首脳同士が話をつけなければならないという懸案事項はありません。
両首相の会談内容は「イスラム過激派組織であるいわゆる「イスラム国」への対応」「ウクライナ情勢」「日本、ドイツ、インド、ブラジルの国連安全保障委員会常任理事国入り」などが議題になります。
いずれも、対立がある問題ではないですね。
「イスラム過激派組織であるいわゆる「イスラム国」への対応」は、アメリカが最も強硬で、ドイツとしては、アメリカほど協力的ではなく、戦力が出せない日本(ドイツは戦力を出せます)とは協調していけるでしょう。
「ウクライナ情勢」についても同じです。
アメリカが最も強硬で、ドイツとしては、アメリカほど協力的ではなく、戦力が出せない日本(ドイツは戦力を出せます)とは協調していけるでしょう。日本は、ウクライナとは利害関係がありませんし、北方領土との関係で、ロシアと協調姿勢を打ち出さざるを得ませんから、「G7」の1メンバーと意見をかわすのは有益です。
「日本、ドイツ、インド、ブラジルの国連安全保障委員会常任理事国入り」は、毎度のことですね。
そう考えてみると、首脳が話すべき日本とドイツは懸案事項が見当たりませんね。
メルケル連邦首相は、平成27年2月4日から2月12日まで、ベルリン、キエフ、ベルリン、モスクワ、ミュンヘン、ベルリン、ワシントン、オタワ、ベルリン、ミンスク、ブリュッセルの2万キロを行き来しました。
ドイツでは、ウクライナ軍事衝突と停戦、ギリシャの債務問題、イスラム国など問題が山積しています。
ミンクスでは徹夜の16時間協議がありました。
そう考えてみると、日本の外交の懸案事項など小さく見えますね。日本は、ウクライナの軍事衝突に影響を及ぼす力もありませんし、ギリシャの債務問題について「まとまった」「金を出せ」といわれることもありません。
メルケル連邦首相は、51歳で連邦首相となり、現在60歳ですが、結構「やつれて」きていて、ほうれい線だけを見ると「老婆」のようにも見えます。
日本に来れば、利害が相反する議題などはないわけで、しばしの休息になるかもしれません。