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2015年~2017年バックナンバー

辺野古の埋立

林芳正農水大臣が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題で、平成27年3月30日、翁長雄志知事のした作業停止指示の効力の執行停止をしました。

 手続きは、以下の図の通りです。

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(出典・東京新聞)

 なお、公有水面埋立法における埋立については、所管が農林水産大臣にありますから、防衛省が沖縄県知事の作業停止の指示の「取消し」を求めた審査請求に対する判断の権限は農林水産大臣にあり、沖縄県知事の作業停止指示の効力の執行停止の権限も農林水産大臣にあります。
 水産資源ですから。

 なお、農林水産大臣が執行停止をしたり、審査請求に対する判断をするのは「不公平」で「おかしい」というのは、「法律論」ではなく「感情論」です。
 日本は法治国家です。最近になって決まった法律ではなく、ずっと昔から、法律で決まっているとおりということです。
 他の方法をとりうるというのでは、法治国家とはいえません。

 農林水産大臣は、沖縄県知事の作業停止指示の「取消し」の裁決をする可能性が高いですね。
 裁決が出て、はじめて、裁決に不服のある当事者が、裁判所に行政訴訟を提起し、最終的には、最高裁判所が判決をするということになります。

 日本は法治国家です。
 最終的には、最高裁判所が判断します。

 なお、争点は「珊瑚など自然保護」と「普天間飛行場周辺の危険性や騒音の継続」「日米の信頼関係への悪影響」との比較衡量です。

 アメリカ軍の基地を国外に移転するという選択肢は、日米安保条約に基づきアメリカのみが持っていて、日本には選択肢はありません。
 日米安保条約を破棄すれば別ですが・・

 裁判になれば、普天間基地を県外に移転する可能性などは、最初から争点になりません。

 裁判官は「普天間飛行場周辺の危険性や騒音の継続」「日米の信頼関係への悪影響」と「珊瑚など自然保護」とを比較して、どちらを優先させるかで診断をします。

 「珊瑚など自然保護」を優先させるという裁判官がいるとは思えません。
 最初から結論はわかりきっています。
 国は、最初から最後まで読切っています。
 国には、優秀な裁判官が、検察官として出向して重要な訴訟について代理人となり、事前に政府にアドバイスをしています。
 こんどの執行停止書も、農林大臣名義になっているものの、実際書いたのは、裁判官からの出向者の可能性があります。

 ただ、政府側にも沖縄県との対立が決定的になるのを懸念する事情があります。
 岩礁破砕許可の期限は平成29年3月までで、移設工事を進めるには許可延長を避けて通ることはできず、政府としていずれは翁長知事を説得しなければならなくなります。
 もっとも、そのころには、完成に近いでしょうが・・

 安倍晋三首相や菅義偉官房長官が、翁長知事と会談して話をつけるというのが妥当でしょう。

 石原元環境大臣ではありませんが「最後は金目でしょ」となるのではないでしょうか。

 沖縄は、いつも結末が決まっているようで、まるで水戸黄門をみているようです。

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