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2015年~2017年バックナンバー

福井地方裁判所の仮処分

 福井地方裁判所民事部の福井地方裁判所の樋口英明裁判長は、平成27年4月14日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、定期検査中)について、再稼働を差し止める仮処分決定を出しました。

 2基の原発は当面動かせず、関西電力がめざす平成27年11月の再稼働も難しくなる可能性があります。

仮処分の要旨は「新基準は合理性欠く」とのもので、結局、どの原子力発電所も稼働させるなというものです。

樋口英明裁判長は、平成26年5月に、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決を出した裁判官です。
樋口英明裁判長は、平成24年4月1日に福井地方裁判所に着任し、平成27年4月1日、定期異動にて名古屋家庭裁判所に転勤しています。

 なぜ、樋口英明裁判長が、平成27年4月14日に仮処分決定をすることができたのは、名古屋高等裁判所が福井地方裁判所判事職務代行の辞令を発令したためです。

 最高裁判所としては、前の判決をみて転勤を考えたかも知れませんが、3年任期を崩すと不自然、名古屋高等裁判所が福井地方裁判所判事職務代行の辞令を発令したのも、もうできあがっている仮処分決定をご破算にして、次の裁判長に一からさせるというのは不自然ですね。

 仮処分の債権者代理人が巧妙だったのか、債務者である関西電力の代理人が正直であったのかよくわかりません。
 結論がわかっているのですから、引き延ばしでも何でもして転勤を待てばよかったのでしょうし、それが不可能とは思えません。


 私自身は、原子力発電再稼働には好意的ではありません。
 もっとも、国家の政策に大きな影響を与える政治的な事案については、しょせん選挙の洗礼を受けていない裁判官としては「謙抑的な」裁判をすべきであると考えています。

 異議の裁判は、福井地方裁判所で、別の裁判官(樋口英明裁判長は転勤していますが、他の裁判官は残っている可能性があります)がします。

 福井地方裁判所の民事部は、以下のとおり1か部です。
合議係 林潤,山口敦士,中村修輔,三宅由子
A係 林潤
B係 山口敦士
C係 佐藤志保

 小さな裁判所は「所長部」と呼ばれる、福井地方裁判所所長を裁判長として、刑事部から1人、家庭裁判所から1人(地家裁兼務)から構成する部を裁判官会議で決めていることが多いです。

 所長 髙部眞規子

刑事部
合議係 入子光臣,熊谷大輔,河本薫
A係 入子光臣
B係 及川勝広

家庭裁判所
合議係 林潤,佐藤志保,熊谷大輔
1係 熊谷大輔
2係 佐藤志保

 結論は、見えていますが、気の毒なのは関西電力です。

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