2015年~2017年バックナンバー
シチズンの中国撤退
中国では通常の解雇は1カ月前の通知が義務付けられていますが、会社解散の場合は通知義務がないそうです。
シチズンは「地元当局と協議したうえでの措置で、手続きに違法性はない」としていますが、中国国内では「法的に問題なくても従業員に重要な情報を隠していた」(新華社通信)などと批判的な報道が相次いでいて、最終的に、解雇時に支払う補償金を上積みして、事態を収束させました。
シチズンは、時計メーカー、電波時計やムーブメントに強く、売上高構成は、時計52%、工作機械13%、デバイス22%、電子機器8%、他5%となっています。
欧米企業ならともかく、日本企業としては、こうした突然の解雇閉鎖は異例中の異例です。
中国では、パナソニック、東芝、さらに、シチズンと、日本の著名企業が中国工場を閉鎖するとのニュースが相次いでいます。
日中関係の悪化もあり、日本企業が大挙中国から撤退するのではないかとの憶測が飛び交っています。
中国商務部は、平成27年2月16日、定例記者会見を開き、この噂を否定し、一部日本企業の工場閉鎖は事実だが、その数は限定的だということです。
もっとも、工場閉鎖について、馬鹿正直に、中国当局にいうかどうかは「?」ですね。
中国拠点の撤退を決めた日本企業が、現地従業員への対応に頭を悩ませています。
解雇を巡り、従業員とトラブルになったケースも出ています。
かつて「世界の工場」と言われた中国ですが、人件費が急騰しており、進出した製造業は他の新興国に生産拠点を移しつつあります。
ただ、従業員の解雇などを伴う撤退は「進出時以上に多大な労力がかかる」のが実態でしょう。
結婚よりも離婚の方が膨大な力が必要です。
結婚の時に、家庭裁判所や弁護士のお世話になることはありませんが、離婚の時は、家庭裁判所や弁護士に頼らなければならないことは往々にしてあります。