本文へ移動

2015年~2017年バックナンバー

弁護士任官

「弁護士任官」という制度があります。

 弁護士任官は「知識と経験豊かな裁判官の確保」を目的に司法制度改革の一環として、昭和63年度にスタートしましたが、平成13年6月に司法制度改革審議会が、弁護士任官の推進を提言し、平成13年12月に最高裁判所と日本弁護士連合会が新たな弁護士任官の進め方を取りまとめ、新しい採用選考要領が15年度任官分から適用されています。

 昭和63年度当時は「弁護士経験15年以上」などとされていた応募条件も「経験5年以上だが、当面は3年以上の者も可」と変更され、対象者が拡大しました。
 また、任官手続きの透明化のために、外部委員や裁判所関係者で作る「下級裁判所裁判官指名諮問委員会」を設置。最高裁の諮問を受けて希望者の任官の是非を審査する機関で、弁護士任官については平成16年度任官分(15年度答申)から審査を行っています。

 希望者は各弁護士会連合会などで推薦を得るための審査を受けた上で、最高裁へ任官を申込み、指名諮問委が「適」と答申し、最高裁裁判官会議などを経て内閣に任命されれば、毎年4月か10月に任官となります。

 弁護士任官では現行要領に基づいて(1)人物および専門的素養についての書面・面接考査(2)裁判官の職務に耐えられるかどうかの健康診断(3)身上調査-などが行われる。最高裁は、個別の採否の理由を公表していません。

 弁護士出身の裁判官が経験を積み、地裁所長となった例も複数あるそうです。
 私の知っている人にも、高等裁判所部総括(裁判長)をしている方がおられます。
 もっとも、10年の任期切れで終わり、ものの役に立たなかったという方もおられます。

 平成16~平成26年度の任官者数は11年連続1桁台と、弁護士会側が掲げる「年30人以上」の目標にはほど遠いものがあります。
 理由は、任官希望者が少ない上、最高裁の諮問機関の審査で約4割が「不適格」とされためだそうです。

 もうかっている弁護士は任官などはしないでしょうし、裁判所は食いはぐれの弁護士を裁判官にはしないでしょうから、最初から無理があります。


 しかし、弁護士の中には、順調に経営をしながら弁護士任官をする方がおられます。
 割に合わないと思うのですが・・・

TOPへ戻る