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2015年~2017年バックナンバー

空き家と土地の固定資産税

平成26年12月27日、政府・与党は倒壊などの恐れがある危険な空き家の撤去を促すため、固定資産税の優遇を見直す方針を固めました。

 住宅が建っている土地は税額が6分の1に軽減されているのですが、近隣に迷惑がかかるような空き家の場合は対象から外すことにする予定です。

 平成27年度の税制改正大綱に盛り込み、平成28年度からの実施をめざします。


 現在、住宅の敷地の固定資産税は、200平方メートルまでの部分について、本来の6分の1に軽減されます。
 誰も住まなくなって、空き家になっても軽減が続くため、撤去されずに長期間放置されやすく、空き家が増える一因になっています。

 平成26年7月、総務省の「住宅・土地統計調査」が発表されました。総務省が5年に1回実施している「住宅の国勢調査」です。こ
 平成25年10月時点の全国の空き家の数は約820万戸(819万6000戸)で、5年前より約63万戸増えました。
 日本の空き家率(全住宅に占める空き家の割合)は過去半世紀、右肩上がりで増え続けており、今回は13.5%と過去最高になりました。

 家族化に加え高齢者など一人暮らしの世帯増で空き家は今後も毎年20万戸ずつ増加し、15年後には住宅全体の4分の1が空き家になるという予測です。


 空き家には、賃貸用住宅、売却用住宅、別荘などの二次的住宅、そして個人用の「その他の住宅」があります。

 賃貸用住宅、売却用住宅、別荘などは「空室」でも不自然ではありません。
 使用することがいなければ「空家むです。

 このなかで増えているのは、住む人がいない住宅や建替えなどのため取壊すことになっている「その他の住宅」です。
 今回調査では318万戸。空き家全体に占める割合は前回より上がって35.4%から38.8%になっています。

 撤去する決心がついても金銭面のハードルが待っています。取壊すには最低でも数十万円の費用がかかります。そのうえ空き家を撤去し更地にすると、住宅用土地に課される固定資産税の軽減措置が受けられなくなり、更地になると住宅が建っているより税金が6倍になってしまうからです。

 税金の負担増を避けるには、どんなに古い住宅でも残しておいた方が有利です。
 しかし「空家」は放置され続けると劣化します。風雨や積雪で屋根や外壁が倒壊したり、樹木や雑草がはびこったり、蠅やネズミの温床になって衛生状態が悪化したり。防災や景観といった意味からも近隣に悪影響を与えてしまいます。

 なんとかしなければと、平成26年11月末の国会で「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が議員立法で可決された。
 防災や景観などに悪影響を及ぼす恐れのある空き家の増加を防ぐため、市町村の権限で家主に除却や修繕を命令できる法律で、平成27年春から施行されます。

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