2015年~2017年バックナンバー
インドネシアの高速鉄道
インドネシアの高速鉄道ですが、ほぼ日本の新幹線の受注が決まりかけていたのですが、日本が政府保証を求めたため、政府保証不要という中国が建設を請負うことになりました。
案の定というか、平成28年1月21日の起工式から1か月がたちましたが、必要な手続きが不足しているとして監督官庁からの認可が下りず、建設開始の見通しが立たない事態になっています。
インドネシアの高速鉄道は、首都ジャカルタと、およそ140キロ離れたバンドンを結ぶものでした。
インドネシアの運輸省は、建設開始の見通しが立たない理由について、具体的な建設計画が140キロの区間のうち5キロ分しか提出されていないうえ、資料の一部が中国語から翻訳されていないなど不備があり評価ができないこと、さらに建設予定区間に3つある活断層で起きうる地震への対策が不十分であることなどを挙げています。
インドネシアは地震国で、日本やドイツの技術を導入しても、地震対策のなされていない中国の新幹線では無理でしょう。
走らせて大事故を起こすよりは、建設しないのが正解かと思います。
他に、用地の取得に向けた交渉も進んでいません。
インドネシアは民主国家ですから、農業者に十分な代替地を確保するのは、簡単ではありません。
これは、日本の新幹線を導入していても同じ結果になったと思われます。
インドネシアに限らず「安物買いの銭失い」ですね。
インドネシアの経済も悪いです。
インドネシアの通貨ルピアは、他の新興国の例にもれず、対米ドルで大きく下落しています。経常赤字などマクロ経済指標の改善が遅れ、主要産業の資源輸出も振るわないなか、先進国マネーの流出が加速しています。
案外、日本の新幹線の受注がなかったのが「結果オーライ」だったのかも知れません。