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2015年~2017年バックナンバー

田中均・元外務審議官-北朝鮮とアメリカの軍事衝突の可能性を指摘

 トランプアメリカ大統領のアジア歴訪に合わせ、アメリカ原子力空母3隻が参加するアメリカ韓両海軍の合同演習が、平成29年11月11日、日本海で始まりました。
 
 平成29年11月14日までの日程で、核・ミサイル開発を進める北朝鮮へのけん制を強めます。
 
 米国は当初、日本を交えた3カ国の合同演習を提案したのですが、韓国が反対し、日本とアメリカ、アメリカと韓国韓それぞれで実施することになりました。
 
 アメリカは当初、アメリカ空母3隻を含めた日米カ韓の艦船が一堂に会する3カ国合同演習を日韓両国に提案しました。北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗する日米韓の結束をアピールする狙いがあります。
 
 アメリカの提案に対し日本は歓迎の意を示す一方、韓国は、国民が、自衛隊が朝鮮半島の近海に展開することへの警戒感があるなどを理由に受け入れなかったということです。
 
 なお、以下の、中国との「3不(3NO)」の合意の約束の履行という面も否定できません。
 
 韓国は、トランプ大統領のアジア諸国歴訪に先立ち、平成29年10月31日、中国との間で、「関係改善していく」という合意文を発表しました。
 
 中韓の交流や協力を進めることが両国の利益になる、あらゆる分野の交流・協力を出来る限り早く通常の発展軌道に戻すということです。
 
 韓国のカン・ギョンフン外務大臣は「3不(3NO)」を約束しました。
 
1 THAAD追加配備計画はない
2 韓国は米国のミサイル防御システム(MD)に編入しない
3 日米間同盟は、軍事同盟にはならない
 
中国の譲歩は、以下のとおりです。
 
1 韓国にあるTHAADについての反対はしない
2 中国人旅行客の韓国旅行の再開、韓国製品の不買運動停止
3 表だってはいませんが、おそらく、中韓スワップ
 
 中国の圧勝ですね。
 また「韓国にあるTHAADについての反対はしない」も、危うくなっています。
 
 韓国は、自分の国が、主戦場になるという自覚があるのかどうかさえ不明です。
 
 なお、合同演習に話を戻して、アメリカ空母を3隻投入する演習は異例です。
 
 アメリカ韓合同演習に参加するのは、アメリカ海軍からロナルド・レーガン、セオドア・ルーズベルト、ニミッツの空母3隻とイージス艦11隻、韓国海軍はイージス艦2隻を含む7隻の艦艇です。
 
 韓国軍が軍事作戦を想定する「作戦区域」に順次展開します。
 
 戦闘機による空母への離着陸や空中戦、海上監視・補給など実戦を意識した演習を幅広く実施することになります。
 
 なお、平成29年11月12日に放送されたTBS「時事放談」において、小泉元総理の北朝鮮への電撃訪問を実現した田中均・元外務審議官は、北朝鮮とアメリカの軍事衝突の可能性を指摘しました。
 
 「合理的に考えれば日本や韓国に大きな犠牲を伴うことをアメリカが主導するとは考えられない」とした上で、米朝の軍事衝突の可能性を指摘、また、北朝鮮への圧力を高めると同時に交渉へのシナリオが必要だと強調しました。
「アメリカは自分が直接狙われる事態になったとき、行動は素早く、ものすごく大規模ですよね。真珠湾攻撃もそうだったし、9.11もそう。ものすごい勢いで相手をたたく」
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