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身近な法律問題

弁護士の損益分岐点

普通の会社や個人商店は、在庫管理があります。
 期首在庫、期末在庫、棚卸し
 粗利益=販売価格-原材料費 などなど

 しかし、世の中には「在庫」のない業種があります。

 他でもない、弁護士業界がそうです。
 弁護士のほか、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士など、すべて「在庫」はありません。

 原材料費がないということは、経常利益を計算するときには、売上マイナス一般販売管理費で計算できます。
 一般に、法律事務所の一般管理費で大きい比重を占めるのが、人件費・事務所賃料です。
 パソコン、コピー複合機、電話システムなどをリースしておられる方はリース料、そうでなければ減価償却となります。
 なお、電話代金やコピー用紙・カウンタ料金は、事件が増えて減ってもも、そうかわりません。
 ということは、基本的に、販管費はほぼ一定です。
 人を雇い増せば別ですが・・

 ということは、どんな事件でも、受任した方が得なのでしょうか。
 違います。
 ある事件を受けると、他の事件に割く時間が圧迫されて、悪影響が出るからです。

 弁護士は、年間売上÷時間数で、1時間単位の売上を把握できます。
 訴訟は、相手次第ということで、「おおよそ」の計算しかできませんが、大体、永年の勘でわかります。

 普通は、弁護士の報酬は、着手金・報酬制度が普通、タイムチャージ制はまれですから、回転率の高い方が利益率はよくなります。
 回転率の早い遅いは、長引く要素の有無にかかります。
 争点が少ない、あるいは、証拠がはっきりしている事件は早いです。
たとえば、売買契約に基づく代金請求や、貸付契約に基づく貸金請求は、書面の有無、書面に明記されているかどうかで、手数がずいぶん違います。
 不倫による慰謝料請求なら、興信所の写真付きの報告書など動かぬ証拠があるなしでは、大きく差がつきます。

 ということで、ある弁護士に事件を安くしてもらおうとすれば、また、同じ金額で熟練の弁護士を依頼しようとする場合には、証拠を十分固めることが必要です。
 早く決着がつくことが予想されれば、弁護士の方も、報酬の多寡を調整することもありえます。つまり、勝訴が高い確率で見込める事件でしたら、着手金を安くしても、成功報酬を確保できる見込みでしたら、割に合うと考えるかもしれません。
 さらに、早い決着は、依頼者自身の利益にもなります。

 書面等の確実な証拠があればそれにこしたことはありませんし、それがなければ「隠し録音」などで証拠を固めることができないかどうかお考え下さい。

西野法律事務所
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