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債務(借金)問題

債務・借金

大手サラ金の凋落

米系格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)発行体格付け・長期無担保債務格付けは、上から、AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CCに大別します。そして、それに、「AAA」と「CC」を除き「+」「印なし」「-」の付加記号をつけますが、「+」「印なし」「-」の順で下位になっていきます。

 米系格付け機関ムーディーズの発行体格付け・長期無担保債務格付けは、上から、Aaa、Aa、A、Baa、Ba、B、Caa、Ca、Cに大別します。そして、それに、「Aaa」と「Ca」「C」を除き1、2、3の付加記号をつけますが、1、2、3の順で上位になっていきます。

 スタンダード・アンド・プアーズでは、一般にBBB(一般的なレベルとされる)以上(その上はA、AAと続き、最高はAAA)の格付けが付与された社債を慣習的に「投資適格債券」(Investment Grade)と呼び、BB以下=BBB未満の格付け、もしくは格付けが付与されていない社債については「投資不適格債券」(Non Investment Grade)、あるいは、俗にジャンク債(Junk Bond)とも呼ばれています。

 同様、ムーディーズでは、一般にBaa(一般的なレベルとされる)以上(その上はA、Aaと続き、最高はAaa)の格付けが付与された社債を慣習的に「投資適格債券」(Investment Grade)と呼び、Ba以下=Baa未満の格付け、もしくは格付けが付与されていない社債については、やはり「投資不適格債券」(Non Investment Grade)、あるいは、俗にジャンク債(Junk Bond)とも呼ばれています。

 もっとも、日本企業について述べれば、投資不適格とされた社債で、デフォルトしたのは、平成13年のマイカル債が目立つくらいで、あまり、デフォルトはありません。

 平成21年6月15日、スタンダード・アンド・プアーズは、武富士の発行体格付け・長期無担保債務格付けをBBB-からBB+に引下げました。
 同日、スタンダード・アンド・プアーズ、アイフルの発行体格付け・長期無担保債務格付けをBBB-からBBに引下げました。

 やはり、平成21年5月28日、ムーディーズは、武富士の発行体格付け・長期無担保債務格付けをBaa2からBaa3に引下げました。また、格付け見通しについてはネガティブですから、さらなる格付け低下もありえます。
 同日、ムーディーズは、アイフルの発行体格付け・長期無担保債務格付けをBaa3からBa2に引下げました。また、格付け見通しについてはネガティブですから、さらなる格付け低下もありえます。


 武富士は、ムーディーズでこそ「投資適格債券」にとどまりましたが、スタンダード・アンド・プアーズでは「ジャンク債」に転落しました。アイフルは、スタンダード・アンド・プアーズでもムーディーズでも「ジャンク債」に転落しました。「ど~する~、アイフル」といった感じですね。

 スタンダード・アンド・プアーズやムーディーズについては、いろいろな批判もありますが、日系の格付け機関が「投資適格」としていたマイカル債のデフォルトの可能性を指摘したという点では評価されるべきでしょう。
 なお、国内の一部上場事業会社で該当するのはソフトバンク(ムーディーズでBa2)、パイオニア(ムーディーズでB)などわずかしかないそうです。

 スタンダード・アンド・プアーズやムーディーズによると、今回の格付け見直しは、消費者金融専業会社に対するムーディーズのシミュレーション上の諸前提の見直しによるもので、武富士やアイフルの財務ファンダメンタルズに対するこの見直しの影響を踏まえた措置としています。

 大幅格下げの要因の1つは、利息制限法の上限金利を超えた部分の利息(過払い利息)の返還請求が利用者から相次ぎ、巨額損失の計上を強いられていることです。
 ムーディーズは当初、利息返還請求は改正貸金業法が完全施行される平成22年6月までに峠を越すと想定していました。
 それを、今回、同法完全施行後1、2年は高水準で推移しそうだと見直したようで、返還請求に絡む損失計上がさらに長引く可能性が出てきたため、格下げを行ったというわけです。

 アイフルの場合、平成21年3月期の利息返還金と債権放棄額の合計は1415億円で、引当金を09年3月末時点で2127億円積んでいますが、平成21年3月期も、1254億円が見込まれ、返還請求が平成21年6月以降も高水準で推移した場合、さらなる引当金の積み増しが必要となる恐れがあるそうです。

 銀行系のサラ金なら、資金が銀行から供給されるでしょうから、当面、破綻の心配はありません。
 銀行系とは、アコム(東京三菱UFJ系)、プロミス、三洋信販(三井住友系)、レイク、シンキ(新生銀行系)ですね。

 アコムは、どう考えても無理筋の事件も弁護士をたてて争ってくることがありますが、これは、5%の遅延損害金が累積されるメリットもあり、つきあっても悪くありません。
 プロミスは、500万円くらいの過払い金を、2、3ヶ月後ですが「ポン」と支払ってきたりします。
 レイクは、新生銀行系になってから、マナーが良くなりましたね。

 CFJ(ディックファイナンス。アイク)は、新規顧客への貸出をしておらず、三洋信販を紹介しています。

 大手といわれても、銀行系でない、武富士やアイフルは、取立が強行になっていますし、過払い金の払いも悪くなっています。
 「訴訟をしない」弁護士さんには「50%でどうだ」といってくるそうです。
 私のところには、本当のつぶれかけのサラ金しか、そんなことは言ってきませんが・・

 取りうる手段は、できるだけ早く訴訟提起するくらいでしょうか。
 大幅なディスカウントも「危険」です。業界再編があるかも知れません。
 できれば、武富士も、アイフルも、銀行傘下に入ってくれるのが好ましいのですが・・

西野法律事務所
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