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債務(借金)問題

債務・借金

正直な司法書士

ある司法書士さんのホームページに、以下の記述がなされていました。

 「消費者金融の○○社担当者は、過払の○割返金で応じないなら、今後は『全て控訴』と脅かしてくる」

 弁護士の場合、消費者金融の担当者が、「過払の○割返金で応じないなら」「全て控訴と脅かしてくる」ということは考えられません。

 といいますのは、弁護士は、第1審判決が出ている金銭請求訴訟の場合、仮執行宣言がついて強制執行ができますから、控訴されても「痛くもかゆくも」ありません。
 控訴になったからといって、判決がくつがえる可能性はきわめて低いこと、控訴して強制執行を停止しようとすると7割から8割程度の保証金を積まねばならず、それが強制執行の絶好のターゲットになります。

 私の場合、不当利得返還請求訴訟で、控訴されたことは1件のみですし、結果は、第1審判決どおりです。
 また、大阪高等裁判所の裁判官から個人的に聞いたことですが、過払金請求訴訟の判決に対する控訴は、1ヶ部に1件あるかないかということだそうですから、年間100件あるかないか程度ではないかと思います。
 弁護士のついた地方裁判所の判決には、原告からも被告からも控訴があまりないということになります。

 最初に戻って、司法書士ですから「消費者金融の○○社担当者は、過払の○割返金で応じないなら、今後は『全て控訴』と脅かしてくる」ということになるのですね。
 司法書士は、簡易裁判所の事件は代理人となれますが、控訴されて地方裁判所の事件となると代理人とはなれません。
 弁護士に事件を任せたのでは、自分の取分が減りますし、かといって、地方裁判所は本人にいってもらわなければなりません。
 平日の午前10時から12時、1時から5時までに、裁判所に出頭するヒマな人がどれだけいるのでしょうか。


 140万円以上の事件は、司法書士が扱えないということは、前にもコラムに述べたとおりです。
 140万円以下の事件でも、消費者金融からの「脅し」に負けて、妥協する司法書士もいるでしょう。
 ある意味、ホームページに正直にのせた司法書士さんは「立派」かも知れません。弁護士なら、思いもつかない「脅し」ですから。

 大多数の司法書士は、「全件控訴」の脅しにのって低い金額で妥協しているかも知れません。
 そして、それを「隠して」いるのでしょう。

 弁護士より司法書士に頼むメリットが何かあるのでしょうか。
 料金は同じか、むしろ弁護士の方が安いでしょう。弁護士は、他の事件で稼げますから、高くする必要はありません。

 料金を明示している弁護士、料金を明示していて、それが弁護士より「ずっと安い」料金の司法書士、あるいは、弁護士会の法律相談センター(料金は一定額です)に相談に行くのが賢い利用の仕方でしょう。

 弁護士より「ずっと安い」司法書士であっても、大手相手に5割、6割程度で妥協されてはかないません。やはり弁護士に頼むのが賢明でしょう。

西野法律事務所
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