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債務(借金)問題

債務・借金

法人や事業者破産はさっさと

あなたが、会社の代表者などで連帯保証人になっている、あるいは、個人事業をしているとしましょう。
 遅かれ早かれ破産が予想されるとします。

 このようなとき、金融機関やRCC(整理回収機構)、抵当の入っている不動産を任意売却して借金を返してくれませんかと言うことがあります。
 「競売より任意売却が高く売れてお得ですよ」が「殺し文句」です。

 それはそれでやむを得ないのですが、税金のことを考えると、任意売却をするくらいなら、早手回しに破産をする方が一般に得です。
 特に、先祖伝来の土地や、地価が安いときに買った土地などは任意売却により大損する場合があります。
 譲渡所得による所得税と住民税がかかってくるのです。

 租税等の請求権つまり、国税(所得税・消費税など)、地方税等(住民税など)、国民健康保険、自動車税などは免責になりません。つまり、破産して免責を受けても、支払い義務が残ります。

 所得税法9条1項10号には、以下のとおり定められています。
「 次に掲げる所得については、所得税を課さない
  資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法2条10号(註。強制換価手続のこと。滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続及び破産手続をいう)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得」

 譲渡所得税額は以下のとおりです。5年が基準になります。
 課税長期譲渡所得金額は20%(売却価格-取得原価。取得原価は最低5%)

不動産を持ったまま破産し、あとは、破産管財人にまかせる(強制換価手続)場合は、長期譲渡所得は、問題なく非課税になります

 しかし、通常の経営者が白旗を上げるのは、自分がやれることはすべてやった後であることがおおいです。まして、しかも競売になったら、任意に売却する場合より安くなってしまうということが多いです。
 そして、含み益の多い財産を売却してしまいます。
 すると、利益分に譲渡所得税がかかります。
 少なくとも、実務的にはそうなります。
 そして、これは破産では租税債務が免責とならず、一生つきまとってしまいます。

 譲渡所得税が破産者にかかるとわかった時に、破産管財人が、「余計なことをしたからで、全部管財人にまかせれば問題なかったのに・・・」と言うことがあります。

 金融機関は「商売」ですから、自分の利益を最大限に追求することはわかります。
 しかし、RCCは弁護士が主体です。RCCの利益のためならば、債務者の更生など「どうでもいい」ことなのでしょうか。
 私自身は、少なくとも、現在のRCCは嫌いです。RCCは、弁護士が主体で運営されているにもかかわらず、「債務者の更生」という視点が完全に欠落しているからです。

西野法律事務所
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