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債務(借金)問題

債務・借金

家計収支表

個人の破産申立てや個人民事再生の申立てをする際、裁判所から、申立前2ヶ月分の、生計を同一にする一家の「家計収支表」の提出を命じられます。
 申立てが3ヶ月後なら、5ヶ月分つけることになります。

 家計収支表をつけると、その一家の生活ぶりが「丸見え」になります。
 収入は、本人や配偶者、父母子などの同居者それぞれの給料、自営収入、年金、生活保護費などの合計です。借入金も収入です。
 支出は、家賃、駐車場代、食費、外食費、嗜好品(酒、たばこ)、生命保険・損害保険、ガソリン代、電気・電話・ガス・水道の光熱費、新聞代、生活用品費、教育費、冠婚葬祭費などです。返済金も支出です。

 会社や個人事業者の連帯保証人になっていたため、何百万、何千万の負債を一挙に背負ったという人なら別ですが、サラ金やクレジット会社からの高利の借金が膨らんで破産する人は、家計簿などつけていない人が全員といっていいかも知れません。
 100万円なら月2万4000円の利息、200万円なら月4万8000円の利息、300万円なら月7万2000円の利息ですから、家計簿をつけていたら、「全く無駄な支出」ということがわかるはずです。


 裁判所が、破産申立に際して、月ごとの家計収支表を提出するように指示するのは、大きく分けて、2つの目的があります。

 まず、家計収支表をつくるためには、家計簿をつけ、領収証を集めなければなりませんが、家計簿をつけ、領収証を保管する習慣をつけることにより、何が無駄な支出であるかということを自覚することが期待でき、破産・免責によって借金がゼロになってからの生活に有益だからです。
 基本的に、破産は一生に1回です。
 借金がゼロになっても、無駄な支出を続けていると、再度破綻する恐れがあり、これを未然に防ぐ必要があります。
 弁護士が、適当に数字合わせをして、家計収支表をつくることは難しくありません。
 しかし、当事務所は、精神的な障害により生活保護を受けている依頼者を除き、申立人本人に「きっちり」書かせるようにしています。

次に、家計収支表を見れば「矛盾点」があらわれてきます。
 「自動車はない」といいながら、「ガソリン代」があがっていたり、「保険はない」といいながら、「保険料」があがっていたり、というのはよくあります。
 「他に借金はない」といいながら、「借金の返済」に記入があったり、「つっこみどころ」「満載」の家計収支表が出てくることがあります。
 案外、矛盾点に気づかず、裁判所に提出してしまう法律事務所もあるようです。
 裁判所の受付で、半泣きになっている事務員さんをみかけます。


 話はかわりますが、昔は、裁判所にも時間的な余裕があったのでしょう。
 破産申立人全員に、裁判官が面接してくれました。
 しかし、今は、すべて書面です。
 依頼者に対して「うるさいことをいう」「悪役」を裁判所に演じてもらうことができず、代理人である弁護士が、「うるさいことをいう」「悪役」を押しつけられてしまいまうことになりました。
 弁護士は、依頼者から「報酬」をもらっていて、いわば「お客様」に対し、「うるさいこと」を言うのは心苦しいのですが、破産件数の多さ、裁判所の処理能力を考えれば仕方がありません。

西野法律事務所
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