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債務(借金)問題

債務・借金

借金依存症

私は、通常、自己破産手続きが終わった依頼者に「借金は懲りたでしょう」「自分の収入内で生活するようにしてください」「自己破産は一生に1回ですよ」「7年間はブラックリストにのりますから借りようとしても借りられませんけどね」「ヤミ金から借りたら、その時点で人生破滅だと思ってくださいね」とお話しして依頼者と「お別れ」をします。
 依頼者は、私に御礼をして帰ります。

 その後、どうなったか追跡調査をしているわけではありませんから、わかりません。
 通常は、弁護士の言うことを守って、堅実な生活を送っていることと信じています。

 少なくとも、同じ弁護士のところに「ヤミ金からお金を借りて取立をされている」「なんとかしてほしい」と依頼してくることはありません。

 ただ、地方自治体などの法律相談をしていると「一度自己破産をした」「ヤミ金からお金を借りて取立をされている」「なんとかする方法はないか」との相談があります。
 「自己破産手続きをした弁護士さんが事情をよく知っているから、その弁護士さんに相談されたらいかがですか」と答えます。
 「自己破産を依頼した弁護士さんに、あわせる顔がないので、ここに相談に来ているのです」という人が殆どです。たまに、弁護士が死亡したとか廃業したとかというケースがあります。

 「ヤミ金から借りた事情は何ですか」と聞いて、「職場を解雇された」「重病になった」という場合なら、相談者の依頼を受けて仕事をしてもいいかなと思って聞くのですが、いままで、そんな例は全くありません。
 それなら、自己破産手続きをしてもらった弁護士さんのところに相談に行けますよね。
 「事情は特にありません」と言われたときは、「大阪弁護士会に行って、弁護士の紹介してもらって下さい。電話番号は・・」と答えることになります。

 私自身は、自己破産手続きが終わった依頼者全てが、「社会的に」「更生」していると思っています(「I think so.」ではなく「I hope so.」です)。
 現実に、「ヤミ金からお金を借りて取立をされている」「なんとかしてほしい」と依頼してきた人は、1人もいません。


 アルコール依存症という言葉があります。
 むかしは「アルコール中毒」「アル中」などと言われていました。もちろん犯罪ではありませんが、まともな社会生活は送れません。

 「借金依存症」という人もいます。
 弁護士は、借金を「なくして」あげることはできますが、「借金依存症」の面倒までみられません。
 やはり「カウンセリング」にどの対象となるのでしょうか。


 ただ、こういう人がいるから「総量規制は正しくない」というサラ金業者の言い分は「噴飯」ものです。
 法律事務所に破産依頼をする人の殆どは、「借金できるだけ借金をして」「これ以上借りられないとなった段階で」「弁護士に自己破産の依頼」をして、借金0になったら、これに懲りて、自分の収入の範囲で生活するようになるのが殆ど全員です。
 「これ以上借りられないとなった段階」が早く来るということで、好ましいことでしょう。
 従前から、総量規制をオーバーしている人は、これを機に「自己破産」して、まっとうな経済生活を送るようにすればいいのです。逆に、千載一遇のチャンスだと思います。

 日本人が、食べることさえ満足にできなかった時代から60年も経っていません。
 現在でも、食べることさえ満足にできない国は多くあります。
 それを考えれば、自分の収入内で生活をすることは難しくないでしょう。

 それでも、ヤミ金に手を出する「借金依存症」の人は、どうしようもない人と言うことになります。
 アルコール性の慢性肝炎に罹患したから、医師に酒を止められても酒を飲む人、肺気腫に罹患したから、医師にタバコを止められてもタバコを吸う人はいます。
 そんな「希有」の例をあげられても話になりません。

西野法律事務所
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