本文へ移動

債務(借金)問題

債務・借金

リボルビングの「わな」

クレジットカードのショッピング機能に「リボルビング払い」(Revolving System)というものがあります。

 クレジットカードでの品物購入やキャッシングの際、その金額に関わらず返済回数は決めず、月々一定額形で返済する方式が主流です。限度額内であれ、ば品物購入やキャッシング何回借金をしてその金額が増えていっても、毎月の支払額は一定で変わりません。ただ、毎月の支払額が増えない代わりに、その分支払い期間が延びていきます。

 リボルビング払いの「リボルビング」は「回転する」と言う意味で、元来、リボルビング銃が語源です。
 リボルビング銃は、今となっては普通の拳銃で、銃を発射するごとに、発射後弾が入っている部分が回転し次の弾の発射準備が完了します。猟銃のように、発射ごとに弾をこめる必要はありません。
物理的には、装填している弾がなくなれば、弾込めは必要ですが、考え方としてはエンドレスですね。

 百貨店などのクレジットカードが発祥ですが、私が裁判官となったころに、銀行系のクレジットも、リボルビングの導入が可能になりました。
 結構歴史がありますね。

 例えば、リボ払いの限度額が50万円で毎月の支払額が1万円の方式だとします。
 50万円の限度内ならいくらでも買い物が出来るわけですが、毎月1万円以上買い続けるとその分の支払いが先延ばしになります。

 最初に50万円を借りて、一切使わないと仮定し、リボルビングの利率を18%と仮定すれば、支払期間は7年10ヶ月、支払い回数は94万円、一度の50万円の品物購入やキャッシングのために94万円を支払わなければならないという恐ろしいことになります。

 通常「リボ中毒(リボ中)」の人は、限度額一杯利用するようになりますから、50万円限度のカードなら、1年で支払う利子だけで9万円、100万円限度のカードなら、1年で支払う利子だけで18万円、元金は一切減りません。
 何枚もカードをつくっていれば、JCB、東京三菱UJFニコス、三井住友カード、DCカード、OMC、イオン、クレディセゾン、楽天KC、トヨタファイナンスの10ブランドで、いずれも50万円枠として、利率を18%と仮定すると(現在は、低くなっています)1年で支払う利子だけで180万円、元金は一切減りません。
 サラ金などの「高利」のところから金を借りていないはずなのに、支払いが不能になったという多重債務者の依頼を受けることがありますが、1000万円借りて、毎年180万円支払っても元金が減らないというのでは、支払い不能になるのは当たり前の話です。

 あと、モビット、キャッシュワン、アットローンから200万円ずつ借りていれば、利子だけで90万円、元金は一切減りません。
 銀行のカードローンも、結構高い利息を取ります。


 信販会社が「リボ」のCMをさかんに流したり、購入時リボ払いを指定しなくても、支払時期になったら「リボ」に変更できるシステムにしたりするというのは、信販会社の「利益」のためです。

 最低限度の金利の知識は持ちたいものです。
 まあ、それだけ考えている人が、私のホームページを見てくれているかどうかわかりませんけれど・・

西野法律事務所
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満2-6-8堂ビル407号
TEL.06-6314-9480
FAX.06-6363-6355
 
お気軽にご相談下さい

電話による法律相談は行って
おりません(土日祝日休)
9時~12時 1時~5時30分
TOPへ戻る