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債務(借金)問題

債務・借金

コード71

「コード71」をご存じですか。

 銀行、クレジット会社、消費者金融などは、現在、それぞれの信用情報機関をもっています。
 破産、個人民事再生、延滞などのブラック情報は、信用情報機関に登録され、ブラックリストにのることになります。

 弁護士に依頼して、破産、個人民事再生、任意整理、過払請求の通知をしてもらうと「第三者介入」という「コード」が付されます。つまり、ブラックリストにのるということです。
 もっとも、弁護士からの受任通知がいくことにより、取立などは一切ストップします。

 過払いでなく、破産、個人民事再生となってしまえば「破産」「民事再生」、利息免除の分割の任意整理などなら、「第三者介入」のコードが残ります。

 当該業者にとって過払いだった場合はどうでしょう。

 建前では、「弁護士介入」というコードから、過払いが確定すると「契約見直し」(「コード71」)にコードが変わることになっています。
「弁護士介入」はブラックですが、建前上は「契約見直し」はホワイトです。

 もちろん、弁護士に5社の任意整理を依頼して、1社でも、債務が残ってしまった場合には、ブラックリストにのっても仕方がありません。その1社に過払い金で返済しても同じです。

 弁護士に依頼した、全部の業者について「過払い」になった場合どうでしょう。
 銀行や、モビット・キャッシュワンなどの利息制限法違反でない債権者のみ除外して、任意整理を受任することが結構あります。
 案外、弁護士が受任した事件で、すべての業者が、結局過払いだった(私は「パーフェクトゲーム」と勝手に言っています)ということは結構あります。私の経験でも、10件ではききません。

 その場合、過払いが確定すると「契約見直し」にコードが変わり、「契約見直し」はホワイトですから、ブラックリストから抹消されて、新たに借りられるという理屈になりそうです。

 しかし、現実は、そうなってはいません。
 それが「コード71」です。
 「コード71」がついていると、過去に過払い返還請求をしたことがわかります。
 貸金業者としては「ブラック」な情報でなくとも、過去に過払い返還請求をした経験のある人が、お金を借りに来ても、事実上貸さないでしょうね。現実に、貸してもらえません。

 ただ、最初から、親兄弟などから援助を受けて、約束どおり完済し、貸金基本契約を解除してから、過払い請求をする場合は、貸金業者は、契約そのものがないのですから、「ブラック」はもとより、「コード71」もつけられませんから、過去に過払い返還請求をした経験のある人でも、お金を借りることができます。
 さすがに、過去に過払い返還請求をした金融業者は「この野郎!」と思っているでしょうから貸さないでしょうが、他の金融業者にはわかりません。


 新聞報道によりますと、金融庁は、過払い金返還請求をした事実(「コード71」)を信用情報に反映させない方針で最終調整をしているそうです。

 「過払いの返還請求の有無は利用者の支払い能力とは直接関係ない」と判断し、過払い請求記録の消去を、改正貸金業法で定められている「指定信用情報機関」を認定する条件とする方針とのことです。
 指定信用情報機関は、政府の認可を受けた情報信用機関で、平成21年6月までに認定されなければ、情報信用機関とは認められません。

 あまり反対する理由はなさそうですね。
 「過去に多重債務者であったことがある」という「データ」の「抹消」には反対という立場のようですが、現実に「コード71」のみの情報しかつけられていない個人は「まれ」です。
 たんなる「過払い請求されたことに対する」「恨み」でしょう。まともに、意見を聞く価値すらなさそうです。


 もっとも、借金に懲りたはずの人が、住宅ローン、教育ローンなどの他の借金をするというのは絶対やめた方がいいですね。カーローンも、地方によっては、自動車がないと生活できないことがあり、その場合にのみ利用すべきことはもちろんです。
 一度、借金で失敗しているわけですから・・

西野法律事務所
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