本文へ移動

債務(借金)問題

債務・借金

過払いバブル

大阪弁護士会会員の「「坂野先生のブログ」 」 におもしろい記事があります。

 最高裁判所事務総局発行の「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」に、最高裁判所は、訴訟の迅速化が図られているかを判断する際に、過払い金請求の訴訟と思われるものと、そうでない訴訟を区別して、分析をしているというのです。

平成20年度の地方裁判所に提起された民事訴訟事件の件数は、

民事第一審訴訟(全体)  19万2246件
 そのうち過払い金等以外   8万7256件
 過払い金訴訟       10万4990件
 だそうです。必ずしも明確な定義による数字ではないようです。

地方裁判所の新受件数が9万件以下であったのは、昭和50年代前半のことで、訴訟件数は、昭和50年代前半に逆戻りしているそうです。

 平成16年4月1日から、簡易裁判所における事物管轄について、訴額の上限が、90万円から140万円に引き上げられてます。
 また、平成16年4月1日から、従前、地方裁判所の管轄であった離婚・離縁訴訟が、家庭裁判所の管轄になっています。
 ですから、単純な比較はしづらいかも知りませんが、前者は物価の上昇を考え、後者は件数自体が多くないことからすれば、あたらずといえども遠くないかも知れません。

過払い訴訟の多いことは、地方裁判所の法廷の事件のボードで見れば一目瞭然です。

 あと、法廷の事件のボードでは公営住宅の滞納などによる明渡請求訴訟(地方裁判所管轄)、府や市の保証協会の求償金請求事件訴訟なども多くあり、私が司法修習をはじめた32年前の「売買」「賃貸」「貸金」の典型的な地方裁判所事件は「ぱら」「ぱら」としか見えません。

 過払訴訟で証人尋問をすることはまれですから、地方裁判所の人証の尋問期日は「すかすか」のようで、一昔前までの「3ヶ月待ち」は夢のようです。

 また、過払訴訟は、最近まで、訴訟外での示談が成立して取下げということが多かった(訴訟を提起しないと、サラ金会社は「まともな金額」の「交渉」の「土俵に上がって」くれません)ので、裁判官は判決を書かずに事件を処理することができました。

 昨今、サラ金の経営状態が悪いことから、「判決を書かされる事件が多くなった」とこぼす裁判官もおられます。
 原告の使う利息制限ソフトや、被告の使う利息制限ソフトは「ばらばら」、判決を書くとなると、細かい数字のチェックが必要で、チェックは裁判官自身がしなければならないので、判決書きは大変です。

 さて「自分は」と考えてみると、私自身の過払訴訟の件数は、原・被告あわせた全体の訴訟件数の4分の1もいかない計算になります。
 まず、原告事件と被告事件の件数は、私の場合、おおざっぱに同数くらいです。私はサラ金やクレジット会社の代理人にはなりませんし、また、原告事件の件数の半数が過払訴訟ということもありません。

 また、示談交渉、民事調停、一般訴訟、離婚、遺産分割などの家事事件、個人の破産と個人民事再生、法人の破産などの事件がありますから、民事訴訟のみでもありません。

 過払いバブルは、近々はじけます。
 過払いバブルにおどって、地道な訴訟・調停事件の受任・処理を怠ってきた弁護士の経営は、地道な努力も怠らなかった弁護士に比べ、苦しくなるでしょう。

西野法律事務所
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満2-6-8堂ビル407号
TEL.06-6314-9480
FAX.06-6363-6355
 
お気軽にご相談下さい

電話による法律相談は行って
おりません(土日祝日休)
9時~12時 1時~5時30分
TOPへ戻る