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債務(借金)問題

債務・借金

取引履歴開示をめぐる業者と弁護士のバトル

貸金業者と顧客との取引履歴については、平成17年7月19日の最高裁判所判決がでるまでは、拒否する業者が圧倒的に多数でした。
利息制限法に引きなおせば、元金が減ったり、逆に、過払金を支払わなければならないからです。

 貸金業者は、どうせ債務者は古い証書など廃棄しているだろうと高をくくって、借換えた(「借換え」は、古い取引履歴を出さないための手段でもあったわけです)前の取引履歴は出そうとしませんでした。
 もっとも、クレジット会社は、銀行引落としですから、ごまかそうとしても、銀行預金通帳をみれば、または、通帳を紛失していも、銀行に依頼すれば10年程度の出入金記録は発行してもらえますから、あまり、ごまかしはしませんでした。

 大手でしたら、古い契約書や、借入返済のレシートなどがあれば、少なくとも、それ以降の取引履歴は提出していました。
 物持ちがよく、古い契約書や、借入返済のレシートをもっている債務者は、それだけで得をしていたわけです。

 古い契約書や、借入返済のレシートがない場合は、弁護士は、どうしていたのでしょうか。

 依頼者の記憶に基づいて取引履歴を出してほしいと申入れ、それなら、その時点から取引があったことを証明してほしいと逆襲されるのが関の山でした。

 平成17年7月19日の最高裁判所判決と、それに沿った金融庁ガイドラインにより、大手の業者は、保管されている最初から取引履歴を開示するようになりました。
それまでは、たまたま、依頼者が古い借用証やレシートをもっていたという幸運がない限り、業者の取引履歴拒否(少なくとも、古い取引のある証拠を出してみろと開直られる)という厚い壁にあたっていた弁護士さんは少なくなかったと思います。
 現在は、原則として、どの弁護士に対しても、業者は保管されている最初の取引履歴から提出してまいりますので、私の持っているノウハウも、あまり意味をもたなくなってしまいました。

 ただ、前記平成17年7月19日の最高裁判所判決以降も、不誠実な取引履歴しか出さない業者はごく一部いるようではあります。
 ちなみに、準大手で、会社ぐるみで、取引履歴の「小出し」をマニュアル化していた三和ファイナンスは、営業停止処分を受けました。まだ、懲りていないようですが・・

西野法律事務所
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