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トリビア バックナンバー 1/2

認証等用特殊用紙

 裁判所の判決・決定・審判などは、現在、どんな紙に記載されているかご存じでしょうか。
 答えは「わら半紙」です。
 偽造など、簡単にできますね。

 ということで「認証等用特殊用紙の導入についてのお知らせ」が最高裁判所のホームページに掲載されました。

 平成22年7月1日から、裁判文書の正本のうち認証文言が記載されている用紙などに、偽造防止措置を施した用紙(認証等用特殊用紙)を使用することになりました。
第1 すべての執行文用紙
第2 次の書類の正本認証用紙
 判決書(調書判決を含む) 
 和解又は請求の放棄若しくは認諾の調書
 調停調書 
 調停に代わる決定書 
 労働審判書 
 家事審判書 
 調停に代わる審判書 
 金銭の給付を命じる仮処分決定書 
 仲裁判断についての執行決定書 
 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律第22条第2項の規定により受託者に対して金銭の支払を命じる決定書 
 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第26条第1項の決定書

 ただし,簡易裁判所では、当分の間、認証等用特殊用紙は使用しないとのことです。

 認証等用特殊用紙とは、裁判所特有の地模様(八咫鏡 ( やたのかがみ ) の中に「裁」と記載されています。裁判官や一般職員のバッジの模様です)を付し、コピー牽制機能(コピーした場合に「COPY」の文字が浮出す)が施されています。

 私が見た最初の認証等用特殊用紙は、堺市(当時政令指定都市ではありませんでした)の住民票でした。16年~17年前のことだったと思います。

 当時、コピーすると、「COPY」の文字ではなく、「無効」という文字が浮出したため、裁判所の証拠として提出するとき、要らない手間がかかった記憶があります。

 よく考えてみれば、裁判所は「浮世離れ」していましたね。
 簡単に偽造できる用紙、印鑑ですから、たとえ、公文書偽造(刑法155条1項。1年以上10年以下の懲役)という重い刑罰が待っていたとしても、偽造する人間はいます。
 その昔、裁判書は、扱う民間人は弁護士、あるいは、信用のある団体くらいでしたが、今はそうではありません。

 もっとも、内部犯の場合はどうしようもありません。
 案外、外部犯か内部犯か見分ける目的が含まれているのかも知れません。

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