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旅・交通 バックナンバー1/2

阪神なんば線と京阪中之島線

大阪の鉄道の新線開業が続いています。

 平成20年10月、「京阪・中之島線」が開通し、平成21年3月、「阪神・なんば線」ができました。
 両線で明暗を分けているようです。

 京阪の中之島線。輸送客数は当初の1日平均8万人見込みに対し、これまでの実績は同約3万人と低調なようです。
 なにわ橋駅と北浜駅は至近距離にあります。また、大江橋駅は淀屋橋駅とも至近距離にあります。つまり、中之島線は、既存の本線の近くを走っており、新しい需要を開拓できていません。

 便利になったのは、中之島にあるリーガロイヤルホテルくらいですね。
 ちなみに、西天満や北浜で、夜遅くまで仕事をし翌日早いときには、中之島のリーガロイヤルホテルに宿泊するのが便利です。当日遅くのインターネット予約なら、6000円~7000円くらいで宿泊できることがあります。

 阪神・なんば線は、利用客数は1日平均5万4000人と、当初想定の6万7000人に届いていませんが、新線の運輸収入は見込みよりも12%上回ったそうです。
 利用客数が予想以下なのに、利益がが上がるということは、長距離を利用する顧客、つまり観光客が想定よりも多かったことを意味します。

 神戸(芦屋・西宮・尼崎含む)と奈良は、これまで、同じ関西圏にありながら「心理的に距離がある」とされてきました。
 両地域ともに観光資源を有しているのですが、直通する鉄道がなかったために相互の行き来が、地下鉄御堂筋線経由(梅田・なんば間)と不便でした。
 2回の乗換えが、乗換え0回になったのですから「便利」になりました。
 もっとも、これは神戸(三宮)の話で、芦屋・西宮・尼崎の阪急・JR沿線からだと、バスや自家用車で阪神線まで行く手間はかかります。

 奈良から観光都市神戸へ、あるいは、神戸・芦屋・西宮・尼崎から観光都市奈良へは、潜在的需要があったのですね。
 「甲子園球場」の大規模なリニューアル工事、「平城遷都1300年祭」の開催というイベント効果もあるようです。

 ただ、奈良地方裁判所の法廷帰りに、近鉄奈良駅で「三宮行」という電車を見ると、一瞬、一体どこに来ているのか不思議な気分になることがあります。

 ちなみに、近畿圏は交通の便がよく、中心にある大阪からなら、神戸地家裁と近辺(尼崎・伊丹)支部、京都地家裁、奈良地家裁は、完全な「勢力圏」です。

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