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旅・交通 バックナンバー1/2

世界遺産指定の取消

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界遺産委員会」は、平成22年7月30日、ドイツ西部の観光名所「ローレライの岩」で知られるライン渓谷中流の近辺に架橋することを承認したそうです。

 平成14年に、地理学的、歴史的、文化的、産業の分野の複合的で独特な景観として、ユネスコの世界遺産に登録されていました。

 

 ハインリッヒハイネの歌詞で有名なローレライのある地区です。

 

Ich weiß nicht, was soll es bedeuten,
daß ich so traurig bin;
ein Märchen aus alten Zeiten,
das kommt mir nicht aus dem Sinn.

Die Luft ist kühl und es dunkelt,
und ruhig fließt der Rhein;
der Gipfel des Berges funkelt
im Abendsonnenschein.

 

 今まで、上流のマインツから下流のコブレンツまで橋が全くなく、渡し船(手こぎの情緒のある船ではありません)しかありませんでした。

 

 ラインラント・プファルツ州は、平成23年初めまでに架橋の基本計画を策定し、地元に提示し、平成28年に着工し、平成30年の完成を目指しています。
 ローレライのすぐそばには建設せず、景観を損ねないように十分配慮するとのことです。

 

 強行すると世界遺産の登録が取り消されるのではないかとの懸念もありましたが、付近に橋がなく「不便」を訴えていた住民の要望に応えた形です。橋が建設されれば、地元産ワインの運搬などが便利になり物流が活発化が期待されます。


 ドイツのドレスデン・エルベ渓谷は、やはり世界遺産に登録されていましたが、交通渋滞解消のための橋の建設開始により、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会により、平成21年6月5日、世界遺産の登録を取消されています。

 

 ドレスデン・エルベ渓谷(Dresdner Elbtal)は、エルベ川の上流域にあたるドイツ東部に形成された渓谷の一つ。なだらかな谷には都市ドレスデンが発達し、市域は川を挟むかたちでおよそ20kmにわたって続いていましたが、景観を損ねる橋の建設を理由に、登録を抹消されました。

 今度は、その轍をふまなかったということになります。

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