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旅・交通 バックナンバー2/2

世界の弾丸列車

世界で、新幹線クラスの弾丸列車の開発、輸出をしているのは、日本の新幹線、フランスのTGV、ドイツのICEです。

 日本の新幹線は、いわゆる「動力分散方式」(電車方式)で、客車も含め、編成各車両にすべてモーターがついていて、すべての車両が自力で動きます。
 これに対し、フランスのTGVは、「動力集中方式」(電気機関車方式)で、自力で動くのは前後の機関車のみ、客車は無動力で、機関車に牽引されて動きます。

 それぞれメリット・デメリットはあります。、新幹線方式は、加減速能力の向上・軽量化・軌道への負荷軽減に優れていますが、保守・管理に資金と技術力がいります。TGV方式は、加減速能力の向上・軽量化・軌道への負荷軽減では不利ですが、保守・管理に資金と技術力がさほどいりません。
 なお、乗り心地は、客車にモーターがないだけTGV方式が静謐で有利という人もいれば、出発、加速、減速、停止のときに、大きく「かっくん」とならないから、新幹線が有利という人もいます。

 もちろん、日本は、在来線が「動力分散方式」(電車方式)ですし、フランスは、長距離の在来線は、「動力集中方式」(電気機関車方式)という伝統も無視できません。

 なお、ドイツのICEは、ICE1、ICE2はTGV方式でしたが、加減速能力の向上のため、ICE3では、新幹線方式(動力分散方式)を採用しています。
 フランスの時速360キロでの運行を目指す次世代高速鉄道AGVも、新幹線方式を採用するという発表がありました。

 なお、インバータ制御の採用による誘導電動機の導入や、機械式ブレーキではなく、純電気ブレーキの実用化で、新幹線方式の方がTGV方式より製造・保守費用は低下していますから、主流は、新幹線方式(動力分散方式)になっていくでしょう。


 これらは、もちろん本国の話で、鉄道技術の貧弱な国に輸出しようとすると、メインテナンスの関係で、技術が低くてもよいTGV方式が有利かも知れません。

 なお、韓国は、新幹線ではなくTGV方式を採用しました。理由は、甲論乙駁されているのですが、過去の歴史問題、韓国には地震もありませんから、TGVだったんでしょうね。もっとも、TGVの車両は、進行方向が固定されていますから、半分の旅客は、進行方向と逆に座る必要があります。フランス人は、あまり気にしないようです。しかし、韓国の人は日本人と同様気にするようで、進行方向と逆向きの指定席の人は割引料金があるそうです。

 台湾は、地震国ですから、新幹線方式以外に選択の余地はないでしょうね。

 中国は、「商売上手」ですから、新幹線、TGV、ICEを天秤にかけて(値段はどうか、技術をどれだけ開示してくれるか、どれだけ早く納入してくれるか)、各路線ごとに、分けて導入しています。

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