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旅・交通 バックナンバー2/2

ミニマムステイ

ミニマムステイという言葉をご存じでしょうか。

 よく「ミニマムステイ」という言葉を聞くのはホテルです。

 長期滞在型のホテルの場合、ミニマムステイ(最低宿泊)を満たさないと宿泊できないこともあります。
 また、通常のホテルでも、クリスマスや年末年始などピークシーズンにのみミニマムステイを設定する場合があります。
 もちろん、客室当りの稼働水準が向上するからです。
 ホテルにもよりますが、「ミニマムステイ」分の料金を支払えば、宿泊数にはこだわらないというホテルが多いです。もちろん、例外もあります。


 航空券の場合にも「ミニマムステイ」という言葉をよく聞きます。

 航空券の場合、例えばミニマムステイが1日なら、1泊旅行も可能ですが、ミニマムステイが3日なら最低3日間は現地に滞在しなければならないことになります。

 もちろん、ノーマルの航空券にこんな制限はありません。

 まず、割引航空券の場合は、「割引航空券」自体が本来「ツアー旅行用割引チケットのバラ売り」というところから来ているため、最低滞在日数と最大滞在日数など数々の制限があり、また、その制限があるから安くなるのです。

 しかし、航空会社の発行するペックス料金の航空券があります。
 これは、ツアー用航空券のバラ売りではありません。航空券だけが販売対象です。
 ペックス料金の航空券にミニマムステイが設定されている理由は、ずばり「ビジネス客にノーマル航空券を購入させるための手段」です。
 例えば、関空からニューヨークやロンドンに行く、ペックス料金のミニマムステイは、通常、3日です。
 ビジネス客は、契約書交換だけなら1泊で十分、交渉するのでも、3泊4日にわたる交渉は長すぎます。また、ビジネス客は「時は金なり」ですから、余った日程分ゆっくり滞在しようという発想はありません。必要日数滞在したら、日本に「とんぼ返り」して、日本での仕事をしなければなりません。
 ビジネスは、万国共通で平日ですから、平日を5日(滞在日分+往復搭機時間)つぶしたのでは、前後の土日あわせて、9日間日本で仕事はできませんね。
 ビジネス客は、ペックス航空券は使いにくいです。
 ある航空会社1社が、発想の転換をして、関空からニューヨークやロンドンに行く、ペックス料金のミニマムステイを2日にしたら爆発的に売れるでしょうね。
 もつとも、安い航空券を売ったら、通常のビジネス客の席がなくなるかも知れません。

 ちなみに、ビジネス客に高価なチケットを買わせるために、別の「条件」をつけている場合があります。
 中国のフリーツアーは「びっくりするほど」安いです。もともと近距離ですし、本来高いはずはないのですが、ビジネス客を当て込んで、実質的カルテルをむすんで高くしているというのが現状に近いでしょう。余りの航空券を観光客に回しますから、観光客用の航空券は安くても何ら問題ありません。
 もっとも、最低参加人数2人以上で申込みをしなければならないという制限がある場合が圧倒的です。これも、ビジネス客の締め出しのためです。中国など近距離の出張は1人で行くのが通常ですから。

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