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2013年バックナンバー

為替とG20

平成25年2月15日、26日にわたり、モスクワで開かれた主要20か国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)は「為替レートを競争力を高める目標にしない」「金融政策は国内の物価安定や経済回復に当てるべきで、国内の目的のために行われる金融政策が他国に悪影響を与えているかを点検し、影響を最小化しなければならない」との声明を採択して幕を閉じました。

 日本の円安について批判されるのではないかという声もありました。

 「財務省は為替介入を実施したわけでもなければ、日本銀行も欧米の中央銀行と同じ2%のインフレ目標を導入しただけ」(白川・日本銀行総裁)ということで、無制限の金融緩和政策を「国内用」だとする日本の主張についての批判はなされていません。

 ただ、日本の、いわゆる「無制限の金融緩和政策」を「通貨切下げ政策」と決め付けることは無理でしょう。
 目的は、デフレ脱却です。

 現実に、欧米など先進国も量的緩和政策(中央銀行が債権を買い取り市中に資金を供給すること)を推進しています。
 日本による無制限の金融緩和を批判する立場にはないでしょう。

 米国の連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和として、毎月850億ドルを(債権購入を通じて)市中に供給しています。
 日本と同様、実質ゼロ金利となっているため、金利を下げるという手段によって金融緩和というわけにはいきません。

 欧州中央銀行(ECB)は財政危機に陥っている国家を支援するために、無制限でその国の国債を買入れると約束しています。
 金融緩和ではありませんが、やっていることは「同じ」です。

 G20会議で、バーナンキFRB議長は「米国経済を強化することが世界経済の強化にもつながる。(日本など)ほかの国にも同様の基準を適用すべき」として日本を擁護しました。
 米国は、経済大国・日本の経済回復が、世界経済の回復を後押しすると判断したこともあります。


 「円安」というよりむしろ「いきすぎた円安の是正」は、輸出産業の大きな支援になりますし、株価も上がってきています。
 もちろん、輸入物価値上がるのですが、大きな問題ではありません。

 ただ、私個人は、円を刷って刷って刷りまくる「無制限の金融緩和政策」には反対です。

 「デフレによる座して死を待つ」よりは、「乾坤一擲、インフレめざして大勝負」というのは、どこかで聞いたような話です。

 国の借金は、危険水域をこえています。
 デフレにより、真綿でクビをしめられるような経済状況より、国債の暴落による国家財政破綻の方が怖いですね。

 「これから」という現役世代は、超インフレになっても問題ありません。
 むしろ、第3コーナー、第4コーナーに差しかかり、大きく稼げるだけの期間が残されておらず、これまでの蓄えで乗切るしかない世代には、超インフレは致命的です。
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