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2013年バックナンバー

不文律

野球には「不文律」があります。

 攻撃側の不文律としては、大差でリードしている攻撃側が最終回近くになって
1 バントしてはならない。
2 カウント3ボール-0ストライクから打ちにいってはならない。
 これをやぶると、故意によるデッドボールなどの報復を受けることがあります。

 ちなみに、大差でリードしている攻撃側が最終回近くになって「盗塁してはならない」という「不文律」がありましたが、日本のプロ野球では「大量点差(7点差が目安)において企図され、捕手が送球しないなど守備側に刺殺の意図が見られない」場合、その盗塁は盗塁としては記録せず、「野選」(FC)として記録されることになっています。


 WBC1次ラウンドD組のカナダ対メキシコで、乱闘が起こり、両軍計7選手が退場したというハプニングがありました。

 勝率が並んだ場合、得点率と失点率の差で順位をつけるWBC特有のルールが引き金になったといわれています。

 前日のイタリア戦で大敗したカナダは9-3の9回に、先頭打者がバント安打。1点でも多い得点を狙いました。
 大差の状況でのバントは野球の「不文律」に反し、メキシコの投手は次打者に、故意によるデッドボールを与え、ここから乱闘になりました。

 カナダの監督は「普通の試合であのようなバントはしない。(得失点差による順位づけの)ルールがあるから起こった」と説明しました。
 メキシコの監督も「あのバントに問題はない」「選手も興奮して自分を見失った」と話したということです。

 普通、野球のリーグ戦で、得失点差で順位を決めることは想定されておらず、WBC特有のルールを計算していたカナダがとった作戦に、普通の試合と思っていたメキシコ選手が「理不尽」な行動をとったということになります。


 ちなみに、韓国は、WBC1次ラウンドB組で、得失点差で敗北したわけですが、対オーストラリア線で、5点をリードしていた9回ノーアウト1、2塁の場面で、バントをせずに打ちにいって併殺打に終わりました。
 既に1敗していて、1次ラウンド突破には、得失点差で抜けるしかないと言う状況でした。

 日本の解説者は「韓国はWBCのルールをわかっていない」という解説をしていました。

 結局1点は入ったのですが、本来ならもっと点をいれておかなければなりません。
 どちらにせよ、韓国は大きな得失点差で敗退したわけですが、他の国の解説者がわかっていて、当の国の監督がわかっていないのでは話になりません。
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