本文へ移動

2013年バックナンバー

飛行艇の輸出

 平成25年5月29日、日本政府とインド政府は、東京で開かれていた首脳会談にて、海上自衛隊に配備している飛行艇「US-2」のインドへの輸出に向けて協議することになりました。

 「飛行艇」とは、海面や湖面などの水面を利用して発着できる飛行機です。
 滑走路などの大規模な飛行場設備が必要ありません。

hikoutei.jpg

 「US-2」は、海難事故の救助を目的とした救難飛行艇で、海上自衛隊は平成18年度から配備しています。
 ロシアやカナダの飛行艇は、湖での離着水が中心だそうですが、「US-2」は、波高3メートルの荒海でも着水できる世界唯一の飛行艇とされています。

 航続距離は4700キロメートルで、巡航速度は480キロということですから、なかなかの性能です。。

 ちなみに「新明和」という会社が製造しているそうで、インドへの輸出に向けて協議というニュースが流れたとたん、株価が跳ね上がったそうです。

 平成23年12月の日本政府の武器輸出三原則の緩和により「平和貢献・国際協力」に合致するものであれば「武器」も輸出を容認したことに伴い、防衛産業の発展と防衛費の効率化をはかります。
 輸出による生産増で1機当たりの製造コストを下げることができ、自衛隊の調達費を低減させるメリットがあります。

 インド政府は「US-2」について、救難活動に加え、海賊対策に転用することも検討しているそうです。
 インド洋での航行の安全性が高まれば、中東から日本に原油を運ぶシーレーンの安定にもつながりますから、日本にとっては「一石二鳥」ということになります。

TOPへ戻る