本文へ移動

2013年バックナンバー

飛行艇による海難救助

太平洋横断に挑戦していたフリーアナウンサー辛坊治郎氏と全盲のセーラー岩本光弘氏をのせた、小型ヨットがアメリカサンディエゴに向かっていました。

 平成25年6月21日、小型ヨットが21日朝に浸水し、海上保安庁に救助要請を出しました。
 平成25年6月21日午後6時過ぎ、海上自衛隊の救難飛行艇が現場海域で救命ボートに乗った2人を救助しました。

 辛坊氏からヨットに備え付けのイリジウム電話で「右舷から浸水あり、船体放棄しかない」と緊急連絡が入り、約25分後の午前8時1分、再び辛坊氏から「船体を放棄しました。2人は大丈夫」と、救命ボートに乗り移ったとの連絡が入ました。

 第2管区海上保安本部の発表では、ヨットは宮城県の金華山の南東約1200キロ地点におり、宮城海上保安部の巡視船が救助に向かうとともに、海上保安庁の航空機が2人が乗ったボートを発見し、無事を確認したそです。

 巡視船なら、23日朝になっての救助となっていたそうですから、結構、船は時間がかかります。
 体温が下がってきていたそうですから、2晩、もたなかったかもしれません。

 1200キロで48時間かかったとして、時速25キロですね。
 1ノットは1時間に1海里(1852メートル)で14ノットくらいでしょうか。


 「飛行艇の輸出」をご覧下さい。

 救助したのは、海上自衛隊の「US-2」で、波高3メートルの荒海でも着水できる世界唯一の飛行艇とされています。

現場は雨で、波の高さは3~4メートル、風速16~18メートルの荒海ということで、日本以外なら、助かっていないかも知れません。

 辛坊氏の「この国の国民で良かった」というのは実感でしょう。
 日本以外の国では、飛行艇による救出は無理です。

 海上自衛隊によりますと、第2管区海上保安本部・本部長からの災害派遣要請を受け、自衛隊法にのっとり出動したため、辛坊氏らの費用負担は発生しないそうです。
 いずれにせよ、保険は十分かけていたでしょう。

 救助費用は1000万円をこえ、税金負担だそうです。

 ただ、自衛隊と、US-2の広告効果は抜群だったでしょうね。

 インドへの輸出が検討されているときに、US-2の能力(1200キロメートル離れ、天気は雨で、波の高さは3~4メートル、風速16~18メートルの荒海でも着水可能)を実証したことは、大きいと思います。
 航続距離が4700キロメートルありますから、復路を考えても、相当時間上空を旋回しながら、着水のタイミングを計ることができました。

 航空機ですから、哨戒能力は抜群です。
 海賊船が指示に従わない場合は、US-2を着水させ、臨検することはたやすいことです。

 海賊船を銃砲で攻撃することは・・それは日本の知ったことではありません。

TOPへ戻る