2013年バックナンバー
トルコとEU加盟
なお、スイスとノルウェーは加盟していません。
ずっと昔から、EU加盟候補国となりながら、加盟できいない国があります。
トルコです。
トルコのEU加盟について、EUは、平成25年6月20日の非公開外交官会合で、来週に予定されていた「地域問題」に関する交渉開始を否決しました。
議決は全会一致を必要としますが、ドイツが反対、オランダが保留にまわったそうです。
トルコの加盟には35の分野で合意が必要ですが、イスラム教国(ただし、政教分離と建前はなっています)であること、キプロスの領有紛争(キプロスの半分をトルコしか承認していない国が支配しています)、クルド人弾圧(クルド人は唯一国をもたない民族といわれています)などのため、加盟には反対の声があり交渉の進展は遅すぎますね。
ドイツのメルケル首相とCDU/CSUは、平成25年5月末以来のトルコ政府の過剰なデモ弾圧を問題視しています。
連立パートナーであるFDPなどは比較的好意的だといわれています。
ただ、9月の総選挙を控え、メルケル首相が、トルコのEU加盟に譲歩の姿勢を見せることは望み薄だとされています。CDU/CSUは、勝利するでしょうが、連立相手のFDPが5%の得票率を割込んで、議席を失えば、SPDと緑の党の連立政権ができかねません。
現在の状況下で加盟協議に応じれば弾圧支持と取られかねないという問題もあります。
もともと「トルコがEUを必要とする以上に、EUはトルコを必要とします」「必要なら、我々は彼らに出て行けと言えるのです」などと強気だったトルコのバウシュEU相は、「国際的陰謀」として決定に反発しました。
もともと、EUは、カトリック、プロテスタント、正教系をとわず、キリスト教を協議とする国の集まりといえます。
トルコが加盟することは望ましいかも知れませんが、道は遠いでしょう。
トルコは伝統的に親日国です。
ま、ドイツは、戦後、伝統的に、他民族に寛容です。
「A fascinating map of the world's most and least racially tolerant countries」
ドイツは、もっとも他人種に寛容な国(隣に外国人が住むことに問題がないと考えている)の1つです。
ちなみに、アジアでは、インドが最も他民族に非寛容な国家(隣に外国人が住むことは嫌だと考えている)、ついで韓国となっています。