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2013年バックナンバー

事故における報道

アメリカ・ウォールストリートジャーナル日本語版と共同通信のニュースに、アメリカ・サンフランシスコ国際空港で起きたアシアナ航空機の着陸失敗事故で、韓国紙・東亜日報系のケーブルテレビ局「チャンネルA」のYoon Kyung-minアナウンサーが事故の報道の中で「死亡者2人が中国人と確認された。私たちとしては幸いだった(「ほっとする情報です」といういう訳をしているメディアもあります)」というのがありました。

 なぜか、あまり、日本の新聞に掲載されていません。

 アシアナ航空機の着陸失敗事故は、アメリカボーイング社の機体を韓国人整備士と機長が整備・確認し、韓国航空会社が運行し、韓国人副操縦士が操縦し、アメリカの空港への着陸失敗です。

 悪天候・落雷・突風、ハードストライクなどではありませんから、人為的ミスでしょうね。

 中国人乗客が、特に、恨まれる要素は全くありません。
 お金を払って搭乗いただいているお客様です。


 日本人には、考えにくい発想です。
 「邦人の死者がいなくて」「ほっとした」と心の中で思う人はあっても、「特定国籍の外国人が死んだのは幸い」とは絶対思わないでしょう。


 ちなみに、日本では、中国人乗客2人が亡くなった、邦人乗客1名搭乗・軽傷と、一連の沈痛なアナウンスがなされました。

 これは、いわゆる「先進国標準」のようで、ドイツ、イギリス、アメリカのテレビを見ていると、死亡者のいることを沈痛な表情でアナウンスし、自国民の安否について述べます。連絡がとれず、不安になっている親族がいるかもしれません。

 韓国人は、中国人を特に嫌いなのでしょうか。

 あるいは、韓国人は、特定の国の人が嫌いでなくても、同じように報道するのでしょうか。

 中国では、結構大きく報道されているようで、中国国内で強い反発が広がっているそうです。
 中国紙「環球時報」は、「このキャスターは冷酷で感情がない」と批判しました。 
 「謝罪と賠償」は要求していないようです。

 なお、「チャンネルA」は、この発言は、事故で韓国人が1人も死ななかったという事実を強調したものであり、われわれはそれに安堵できるという意味だ。生中継番組をスムーズに運営しなかったことをお詫びする」(アメリカ・ウォールストリートジャーナル日本語版)と、謝罪コメントを発表したそうです。

 内容が「お詫び」になっていないですね。
 「幸い(安堵できる)」という表現がなされてはいけません。
また「視聴者にはお詫び申し上げます」(国際放送ではなくて韓国語による国内向けのテレビです)も悪いですね。お詫びするのは「中国の皆さん」です。


 日本のマスコミ関係者は「人の振り見て我が振り直せ」の精神でいてほしいです。
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