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2013年バックナンバー

ILC

国際リニアコライダー(ILC。International Linear Collider)をご存知でしょうか。

 ILとCは、東京・横浜間に匹敵する全長約30キロの巨大な直線形(リニア)の加速器のことです。
 地下約100メートルにトンネルを掘り、ほぼ光速に加速させた電子と陽電子を正面衝突させる。
 正面衝突の温度は、宇宙誕生のビッグバン直後に相当する、約1京゚Cで、初期宇宙を再現することで未知の素粒子を作り出すということです。

 昨年「ヒッグス粒子」とみられる新粒子が、スイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究所(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で見つかったという報道がありました。

 ヒッグス粒子は、素粒子の基本法則である「標準理論」で存在が予言されながら唯一、未確認だった「最後の粒子」で、発見が確定すればノーベル賞の受賞は間違いないそうです。

 ヒッグス粒子の「その先」をにらみ、標準理論の枠を超えた物理学の新時代を切開く。
 それがILC計画だそうです。

 一体、何のことやらわかりませんね。


 ここからは、凡人でもわかる話です。

 30カ国以上が参加するILC計画は、研究者間において、平成25年6月15日、概要が決まったそうです。
 建設費は約8000億円。15年に政府間で建設地を決定し、平成38年の稼働開始を目指します。

 建設地は日本の北上山地(岩手、宮城県)、脊振山地(福岡、佐賀県)、その他、米欧露の計5地域が候補に挙がっています。

 しかし、米国は素粒子研究での国際的な求心力低下、欧州はLHC(大型ハドロン衝突型加速器)の運用継続が優先課題といった事情があり、現段階で誘致に積極的なのは日本だけだそうです。

 ILCの建設地は強固な地盤が求められ、北上山地と脊振山地はいずれも花崗岩の安定した岩盤があり、候補地に選ばれました。


 ごっつい「経済効果」が望めますから、さしたる産業のない地方は、のどから手が出るほど誘致したいでしょうね。
 原子力発電所と異なり、放射性物質はでないそうです。
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