2013年バックナンバー
TGVの座席
フランスの高速列車TGVに乗られた方があるでしょうか。
西洋人が乗るのだから、日本の新幹線よりも、座席が広いのではと考えられる方が多いのではないでしょうか。
新幹線は、JRの在来線よりも軌幅(レール間の幅)が広くなっています。
イギリス、ドイツ、フランス、スイスなどのヨーロッパの軌幅は、原則として、「標準軌」(1435mm)を採用しています。
JRの在来線のは、明治維新の際、「植民地仕様」の「狭軌」(1067mm)を採用しました。
ですから、JRの在来線は「狭軌」(1067mm)のままです。
関西の私鉄(阪急・阪神・近鉄など)は、「標準軌」(1435mm)を採用しています。
私が、午前10時の神戸地方裁判所の法廷に行くときは、西宮市の自宅から阪急電車で高速神戸駅まで行って徒歩で裁判所に行き、その後、JR神戸駅から尼崎駅乗換え、北新地駅まで行って、徒歩で事務所に行くというパターンです。
いつも思うのですが、阪急電車は、「標準軌」(1435mm)なのに、ゆっくり走るのに対し、JRの新快速は、「狭軌」(1067mm)なのに、恐ろしくスピードを出して走ります。
「神戸駅・尼崎駅間には、大きなカーブはないし、脱線したという話も聞かないから大丈夫だろう、福知山線の事故で慎重になっているはずだし」と、神戸地方裁判所の帰りには、いつも、そんなことを思ってしまいます。
新幹線は、「標準軌」(1435mm)を採用しました。
線路の幅が広いほうが、当然車体は安定し、速度も出しやすくなるので、当然のことです。
TGVに話を戻して、TGVは新幹線と同じ標準軌ですが、車幅は281cmしかありません。日本の新幹線N700系の車幅は336cmで50㎝の差があります。
新幹線の普通車は、1列に2座席+3座席の5座席ですが、フランスのTGVの2等車は、1列に2座席+2座席の4座席です。
ただ、新幹線の普通車の方が、フランスのTGVより、幅は広いですし、シートピッチも広いようです。
新幹線もTGVも、型式・製造年により「ばらつき」があるようなので、細かい数字は記載できません。
TGVの2等車は、あまり長時間乗車しないことをお勧めします。
なお、TGVの座席は、回転しませんから、半分が進行方向に背を向けたまま高速走行することになります。
私は、スイスのベルン駅から、パリのリヨン駅まで、2等車で5時間弱乗車したのですが(予定時間より早く着きました)、もう「こりごり」です。
時刻表に掲載されない臨時列車だったようで、通常価格の40%くらいの乗車賃で売られていたので、飛びついたのがミスでした。
ちなみに、フランスもスイスもシェンゲン条約に加入していますから、パスポートのコントロールはないはずです。
ただ、現実には、フランスとスイスの国境管理官がパスポートをチェックしていました。
意外だったのは、私を含め、日本人のパスポートを持っていた人は、スイスやフランスのパスポートやIDカード(EUだけならパスポートはいりません)を持っている人と同様、表紙を見せるだけで終わりだったのに対し、韓国のパスポートを持っていた人は、写真との照合だけでなく、入国日のスタンプのチェックを含め、入念に審査されていました。不法滞在を疑われているのです。
日本人は、ヨーロッパくんだりまで行って「不法労働」はしないと思われているのでしょう。中国人はもとより、韓国人の単純労働者は、ヨーロッパにもいます。