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2013年バックナンバー

海中への放射性物質流出

東京電力は、平成25年8月2日、平成23年5月から平成25年7月にかけ、汚染水に含まれて流出した放射性物質のトリチウムの量が20兆~40兆ベクレルに上るとの試算を明らかにしました。
 海への漏えいが始まった時期が分からないため、事故後に汚染水流出対策工事を実施した平成23年5月以降に漏えいがあったと仮定しています。
 何のことはない、原子力発電事故直後から、放射性物質が流出していることになります。

 「トリチウム」の量が「20兆~40兆ベクレル」と言ってもどれくらいかは見当がつきません。

 東京電力は「保安規定に定められた年間の放出基準値と同程度だが、 安全確認ができていない状態での流出なので好ましくない」との見解を示しています。

 保安規定上のトリチウムの放出基準値は年間22兆ベクレルで、福島第1原発からの事故前の放出量は年間数兆ベクレル、今回の試算値は10倍程度に相当するとされています。
 何のことはない、事故がなくても、放射性物質は海中に流れ出ていたのですね。


 原子力規制委員会は、東京電力が流出対策として護岸で進めている「土の壁」を汚染水が乗越え、海に出ていると指摘。護岸付近に水を集めるための溝を掘って、流出前に地下水をくみ上げるよう指示したました。


 ちなみに、「トリチウム」だけというのもおかしいですね。

 東京電力は放射性セシウムや、体内に蓄積しやすく健康影響が懸念される、放射性ストロンチウムについては「土壌中での動きが複雑で試算が難しい」としています。
 今後、専門家の意見も踏まえセシウムなどの流出総量を試算するとともに、原発周辺海域での魚介類への影響調査を始めます。

 いい加減といえばいい加減です。


 国の試算によりますと、福島第1原子力発電1~4号機とその周辺には、1日に約1000トンの地下水が入り込んでいて、そのうちの約400トンが原子炉建屋地下などに流入し、溶け落ちた核燃料の冷却水と混じり合っているが、取りあえず回収されています。
 残り600トンのうち300トンは汚染されずにそのまま海に出ているが、300トンは「トレンチ」と呼ばれる地下道に入ってから海に流出しているということです。

 トレンチ内には、原子力発電事故当初から高濃度の放射性物質が含まれた汚染水がたまっている。
 結局、毎日700トンの汚染水が発生し、うち300トンは海に流出、400トンは回収して保管していることになります。


 東京電力は護岸付近に溝を掘り、たまった地下水をくみ上げて水量を減らすことなどを検討し、くみ上げた水はいったん建屋に戻し、今後、壁の上部の隙間もコンクリートなどでふさぐとしていますが、原子力規制委員会は速やかな実施を促しています。


 海中への放射性物質の流入を、できるだけくいとめるとともに、海中の汚染、海産物への影響などの調査が急がれるべきです。

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