2013年バックナンバー
GPSと捜査
警察が、捜査対象者の車に、裁判所の令状を事前に取らずにGPSの端末を取付けて捜査しているとの報道をしています。
GPSの端末の電源は、車のバッテリーからとったものではなく、自前の蓄電池を取付けているようです。
GPSの端末の電源は、車のバッテリーからとったものではなく、自前の蓄電池を取付けているようです。
報道には「裁判所の令状を事前に取らずに」とありますが、「捜査対象者の車にGPSの端末を設置することを許可する」という令状というのは聞いたことがありません。
捜査令状の種類は、逮捕状、勾留状、捜索差押許可状、身体検査令状、鑑定処分許可状などがあります。
「捜査対象者の車にGPSの端末を設置することを許可する」というのは、「逮捕状」「勾留状」「身体検査令状」「鑑定処分許可状」ではないことは間違いないと思います。
また「捜索」とは、「証拠物件や犯人を発見するために、人の身体・物件・住居などを強制的に調べること」と定義されているようです。
「捜査対象者の自動車にGPSの端末を設置する」ことは、捜索の定義に当てはまらないでしょう。
捜査方法として、捜査対象者の「尾行」「張込み」というのがあります。
別に違法でもないですね。
「捜査対象者の車にGPSの端末を設置」するというのは、電子的な「尾行」「張込み」と言えるかも知れません。
ちなみに、当該被告人が、自分の車にGPSの端末があるのではと気がついた理由は「尾行されているように感じたり、まいたと思ってもしばらくするとまた同じ車につけられたりしているように思えたことから不審に思った」ということだそうです。
捜査対象者の、人による「尾行」「張込み」は、「プライバシーの侵害」にあたり「違法」とするならともかく、電子的な「尾行」「張込み」は、「プライバシーの侵害」にあたり「違法」とするというのも疑問ですね。
「最初から犯罪をしなければ何の問題もない」といってしまったのでは「身もふたもない」ということになるのでしょうか。