2013年バックナンバー
偽札
その昔、ドイツマルクのお札には、以下のとおり記載されていました。
「Wer Banknoten nachmacht oder verfalscht oder nachgemachte oder verfalschte sich verschafft und in verkehr bringt, wird mit Freiheitsstrafe nicht unter zwei Jahren bestraft」
概略を意訳すると「紙幣を変造・偽造し、あるいは、偽造・変造された紙幣を行使した者は、2年をこえる懲役刑に処する」ということです。
何でこんなことをお札に書いているのと疑問に思ったことがあります。
現在のドイツ刑法とは異なる内容です。当時の刑法は知りません。
文書偽造の中でも、通貨偽造・行使は罪が重いですね。
日本では、無期又は3年以上の懲役刑です。
通貨を収得した後にそれが偽造であることを知って、これを行使した場合は、ずっと軽く、額面価格の3倍以下の罰金又は科料です。刑務所に行くことはありません。
ただ、通貨を収得した後にそれが偽造であることを知った場合、「偽造通貨発見届け出者に対する協力謝金制度」により、警察に持ち込むと同額程度の謝礼金がもらえますから、警察に持っていきましょう。
ところで、日本で、お金を受取るとき、お札を、偽札ではないかと注意深く見る人はあまりいませんね。
1万円札くらいの価値の通貨が、無警戒のまま流通している国は多くありません。
スイスの100フラン(1万0700円)くらいでしょうか。
スイスの通貨は、誰が見ても、偽造が難しいです。10フラン札(1070円)でも、日本の1000円札より偽造は難しいでしょう。
100ユーロ札(1万3000円)は、お釣りの都合もあるのでしょうか、そう簡単に受け取ってくれませんから、両替されるときは、50ユーロ札を上限とするのが賢明です。
50ユーロでも、少額商品を買おうとすると、偽札鑑別の機械にかけられることもあります。
100ドル札(1万円)も同様です。50ドル札も簡単に受け取ってくれないことがありますから、私は、20ドル札を上限として両替してもらっています。
かさばりますが、20ドル札なら、支払いの時のトラブルはありません。
なお、日本の最高額紙幣が1万円というのは、一部先進国を除いて、高価な部類に属します。
東アジアの国を見ると、韓国の5万ウォン札(4500円)、中国の100元札(1600円)、台湾の2000NT$(まず見ません。6400円くらい)が最高紙幣です。
米ドル、ユーロ、スイスフランなどには、とてつもない高額紙幣が散財はしますが、一般に流通していません。
なお、中国では偽札が大量に出回っていると言われています。
偽札が銀行のATMから出てきたというのは本当でしょうか。
日本人が持っている100元が偽札だったとします。
100元は最高額紙幣ですから「お釣り」ではありません。
銀行、ATM、両替商(ホテルを含む)で受け取った100元札ということになります。
日本人から渡された100元札が「偽札」と疑うということは、銀行、ATM、両替商(ホテルを含む)で、日本人が、偽札の100元札をつかまされたということを疑うということを意味します。
尖閣国有化以来、怖いので中国に行っていませんが、それ以前は、中国も、日本人観光客ウェルカムでした。