2013年バックナンバー
ドイツの連立交渉
ドイツの連邦議会の選挙は、CDU/CSUの圧勝で、630議席のうち、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が311議席、社会民主党(SPD)が192議席、左翼党(Linke)が64議席、緑の党が63議席でした
通常考えれば、630議席のうち311議席をとっているわけですから、どこかと連立を組めば、ゆうゆう過半数確保というようにも見えます。
ところが、そうはいかないのが、ドイツの連立交渉です。
メルケル首相率いるCDU/CSUの連立相手の最有力候補はSPDとみられていますが、SPDのナーレス幹事長は、 連立協議を「急がない」と語り、連立協議は来年(平成26年)1月までかかる可能性もあるとの見方を示しました。
SDPは、財務大臣を含む6閣僚のポストを要求するとされています。当然、副首相は、6閣僚の内の1人です。
閣僚数は、連邦首相を入れて16人です。
ある意味控えめですね。
ただ、国内政策では、SDPは、最低賃金制度の導入(ドイツには、現在、最低賃金制度がありません)、富裕層への増税など、折合いがつくかどうかわかりません。
また、SPDは、過去のCDU/CSUとの大連立で「痛い目」にあっています。
手柄は、連邦首相を出しているCDU/CSUにとられ、不手際は、連帯で責任をとわれ、次の連邦議会選挙で大敗しました。
次の選挙のことを考えれば、大連立を組まず、野党でいた方が得策でしょう。
しかし、ポストがほしいのは、洋の東西を問わないようです。
SPDは、予備となる連立交渉が合意に達した場合、全国を代表する200人を超える主要党員による採決を行い、連立協議を正式に進めるか決定します。
否決された場合は、党執行部らが辞職して、党執行部人事からスタートする可能性すらあります。
他方、CDU/CSUは、緑の党と組むオプションもあります。
現政権が「脱原発」を決定しましたから、障害が1つ減りました。
もっとも、CDU/CSUと、緑の党が一緒に、連邦政府を運営できるのか疑問ではあります。
州レベルでは、連合の実績はありますが・・
ドイツの新政権づくりの長期化は欧州の銀行同盟構想や、年末までに結論を出す必要があるギリシャとポルトガルの救済などに影響する恐れがあるとされます。
もっとも、余裕のあるドイツは、そんなことは「知ったこと」ではありません。