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2013年バックナンバー

司法試験予備試験は抜け道?

法務省は、平成25年11月7日、法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる「予備試験」の今年の合格者が351人だったと発表しました。

 昨年の219人を大幅に上回り、同試験が初めて実施された平成23年から2年連続で増加したことになります。

 受験者数は9224人で、合格率は3.81%でした。
 合格者の最年少は21歳、最年長は60歳で、平均年齢は27・66歳。合格者は来年から司法試験を受験できることになります。

 初年度の平成23年(11月)の合格者は平成24年(6月)に司法試験を受験することができ、合格すれば、平成24年(11月)に司法修習生になれますから、平成25年(12月)に裁判官、弁護士、検察官になる人はいるかもしれません。

 といっても、大学3年(11月)の時に予備試験に合格し、大学4年(6月)受験の司法試験に合格(10月)したとして、大学4年(11月)に大学を中退して司法修習生になるという選択肢はなさそうなので(「大学中退」=最終学歴が「高卒」となってしまいます)、大学卒業(3月)の年の11月に司法修習生となり、その翌年12月になって、裁判官、弁護士、検察官になれる計算です。

 大学3年の時に予備試験に合格し、大学4年の時に司法試験に合格したとしても、大学卒業から1年9か月後に裁判官、弁護士、検察官になれるとしても、そう早くありません。
 せいぜい早生まれ(12月の終わりのころに生まれた人を含む)の人が、23歳で、裁判官、弁護士、検察官になれるくらいでしょうか。

 その昔は、大学4年(10月)に司法試験に合格すれば、翌年4月から2年の司法修習生を経て、大学卒業後、2年間で、裁判官、弁護士、検察官になれました。
 現実に、間違いなく2桁の人がいました。

 予備試験に合格しても、「特急」ではなく「急行」程度でしょうか。

 もっとも、予備試験がなければ、大学4年卒業後、2年間法科大学院に通って卒業し(ここで24歳になります)。昔の制度なら、司法修習を終了しています。
 法科大学院を卒業した年(6月)受験の司法試験に合格(10月)したとして、法科大学院を卒業した年(11月)に司法修習生になり、その翌年(12月)に裁判官、弁護士、検察官になるわけですから、昔の制度より、1年8か月余分にかかってしまいます。

 計算は合っているでしょうか。
 自信がありません。
 間違っていたら、このエントリー全体を削除する予定です。

 何か、制度は良くなっていませんね。

 ちなみに、平成25年の予備試験合格者351人のうち法科大学院生は164人、現役大学生は107人で、現役学生が8割近くを占めました。

 予備試験は、経済的理由などから法科大学院に通えない人を想定して導入されましたが、現役学生が法科大学院での勉強を省略するための「抜け道」となっている実態が改めて浮かび上がりました。

 最初から、わかっていたことでした。

「司法試験予備試験」に記載しているとおりですね。

 私のホームページの雑記帳は、昔のエントリーは、作成年月日がわかりません。
 ただ、前後のエントリーから、大震災の年(平成23年)に記載されていることがわかります。
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