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2013年バックナンバー

フィリピンの災害救助とオスプレイ

国営フィリピン通信が国家災害リスク軽減・管理評議会(NDRRMC)からの情報として伝えたところによりますと、フィリピンを襲った超大型の台風30号による死者数が、平成25年11月22日現在で、5209人に達しました。
 平成25年11月22日現在の負傷者数は2万3404人で、1582人が依然として行方不明だそうです。

 日本では、あまり報道されていませんが、台風30号によるフィリピンの救難援助に、オスプレイ(MV-22B)が大活躍しています。

 実際のところ、全く報道されていないわけではありませんが、「オスプレイ」と呼ばず「MV-22B」と報道されていますから、普通は分かりません。

 沖縄県の普天間基地から、平成25年11月11日に4機、13日に4機、16日までに、さらに6機のMV-22Bオスプレイが派遣され、合計14機のオスプレイが、フィリピンのクラーク空軍基地を拠点に救援活動に投入されることとなりました。

 オスプレイは、飛行場しか使えない通常の輸送機ではアクセスできない離村部や離島に、食料や水、そして衣料品といった救援物資を配布するなど大活躍しています。

 オスプレイの、任務を完遂して帰還する行動半径は約600キロ、空中給油機能があるオスプレイの戦闘行動半径は1回の給油で約1100キロです。
 普天間基地からクラーク空軍基地までは約1500キロメートルですから、給油のための着陸は不要です。

 日本は、海上自衛隊の護衛艦「いせ」、輸送艦「おおすみ」、補給艦「とわだ」を派遣し、陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプターやトラックを運んでからでないと、ヘリコプターによる救援活動はできません。


 アメリカも、かつては、強襲揚陸艦が被災地沖合に到着してからでないと、海兵隊員の「靴」となる各種輸送ヘリコプターが救援活動することはできませんでしたが、海兵隊員の「新しい靴」となったオスプレイは、揚陸艦とは独立し、自力で長距離を飛行して被災地に急行し、救援活動に従事することが可能になりました。

 今回の救援活動により、アメリカ海軍強襲揚陸艦が使用できなくとも、海兵隊が自前で保有しているオスプレイにより、ある程度の規模の救援部隊を、沖縄から海を越えて、迅速に東アジア地域の被災地に送り込めることが実証されたことになります。

 防衛省は27年度にもオスプレイを導入する予定だそうです。
 活躍が期待されます。といっても、災害等がおきるのを望んでいるわけではありません。念のため。
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