2013年バックナンバー
中国の少子高齢化
「一人っ子政策」をめぐっては、超高齢化や労働人口の減少をもたらすとの懸念から、中国政府は政策の緩和を検討しているところです。
中国における、昭和45年時点での自然増加率は25.8%でしたが、平成24年には4.95%まで低下しています。
中国の現在の総人口は約13億5000万人で、「一人っ子政策」が実施されなければ17億~18億人に達していたということです。
中国の平均寿命は、昭和34年の35歳から、現在(平成25年)の75歳へと2倍以上に伸びました。
一方、出生率は1.5以下に落ち込み、人口を安定的に保つのに必要な2.1を大きく下回っています。
中国は、人口ボーナスから、人口オーナスに転じることになります。
中国の労働人口は、平成23年に、初めて減少に転じました。
日本は、平成10年をピークに、労働人口が減少に転じています。
日本が労働人口の低下がはじまったとき、日本の生活水準は既に米国のレベルの9割近くに達していました。
中国の労働人口の低下がはじまったとき、中国の1人当たりGDPは、米国の2割に達していません。
日本は「豊かになって」から老いましたが、中国は「豊かになる前に」老いることになります。
中国の経済成長のペースは間違いなく落ちます。
労働人口が減るのですから、当然といえば当然です。
また、65歳以上の中国人の数は、西暦2030年までに、現在の3倍の3億人に達する見込みです。
低い出生率のために「一人っ子」が、両親と祖父母の面倒を見るのが難しくなります。
中国は近く、何千万人単位のの高齢者のための介護施設が必要となるかもしれません。
考えただけでも恐ろしいことです。
ただ、インドより「まし」かも知れません。
インドの人口増加は、大問題を生みます。
インド政府は間もなく、ろくな教育を受けず、もうかる仕事を持たない若者の莫大な人口問題に直面します。