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2013年バックナンバー

ドイツの連立政権誕生

連邦議会は、平成25年12月17日にメルケル氏を3期目の首相に選出しました。

 平成25年9月22日の連邦議会議員選挙(ドイツの「総選挙」)から約3カ月をへて、中道右派と中道左派の2大政党による大連立政権が成立することになります。

 越年という話もありましたが、クリスマス前にまとまりました。

 ちなみに、ドイツの連邦議会の選挙は、CDU/CSUの圧勝で、630議席のうち、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が311議席、社会民主党(SPD)が192議席、左翼党(Linke)が64議席、緑の党が63議席でした。
 CDU/CSUが、あと5議席余分にとっていれば、630議席中の316議席で過半数で、単独政権を樹立することができました。

 選挙終了後、連立交渉に2カ月間を要した背景には、SPDが左派色の濃い政策を保守陣営に求めたことがあります。
 SPDは平成13年~平成17年の、第1期メルケル政権で、大連立を組んで与党入りしましたが、独自色を出せないまま、その後の選挙で惨敗しました。
 政権入りのための安易な妥協は、結果的に「大損」ということがわかりました。
 今回は、ある程度「強気」でした。

 CDU/CSUとしても、SPDが与党入りすれば、野党が多数派を占める連邦参議院の運営が容易になり、「ねじれ国会」が解消するとの判断もあり、妥協をしました。


 SPDは「格差是正」を掲げて与党入りすることになります。

 平成27年度からではありますが、時給8.5ユーロ(約1200円)の法定最低賃金が、段階的に導入することが合意されました。
 また、非規制雇用の待遇改善も合意されました。

 他方、SPDの選挙公約の目玉だった「中高所得者への増税」は、CDU/CSUの抵抗のため撤回せざるを得なくなりました。


 交渉の過程で透けてみたのは、両陣営とも「好調経済の邪魔をしない」という姿勢です。
 
 金融市場や雇用制度では規制がやや強まりますが、経済政策の大きな転換はしません。

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