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2013年バックナンバー

人材確保

「裁判官の配偶者同行休業に関する法律」が、平成25年11月27日成立しました。

 「裁判官の配偶者同行休業に関する法律案」をご覧下さい。

「3条 最高裁判所は、裁判官が配偶者同行休業を請求した場合において、裁判事務等の運営に支障がないと認めるときは、3年を超えない範囲内の期間に限り、当該裁判官が配偶者同行休業をすることを承認することができる」

「第5条 配偶者同行休業をしている裁判官は、裁判官としての身分を保有するが、その配偶者同行休業の期間中報酬その他の給与を受けない」

 裁判官の配偶者(国家公務員、地方公務員、民間企業職員などを問いません)が海外転勤した場合、同行するために休職を認める法案です。人材の流出を防ぐことが狙いとなります。

 女性の裁判官は増えてきました。
 女性裁判官は、夫である配偶者が海外に長期間出張する場合、裁判官を退官してしまって、もうもどらないというケースがありました。
 ある意味「もったいない」話です。
 裁判所としては、裁判官としてもどってきてもらうのが好ましいと考えています。

 なお、もとより、男性裁判官が、妻が海外に長期間出張する場合、裁判官を退官してしまうことも理論上はなくはないのですが、あまり、聞いたことはありません。
 建前は「男女平等」ですが、現実には、妻が裁判官という場合を想定しているでしょう。


 裁判官には、基本的に「休職」制度がありません。

 憲法80条2項に、以下のとおり定められています。有名無実課されていますが・・・
 「 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない」

 裁判官が、官費留学をするのは、最高裁判所の命令による出張ですから問題ないのですが、裁判官が私費留学をしようとするときは、裁判官から裁判所事務官に転官し、休職して留学することになります。
 そうしないと、私費留学生にも、報酬を支払い続けなければなりません。


 なお、女性裁判官の育児による退官防止のため 「裁判官の育児休業に関する法律」という法律が制定されています。
 これは「女性限定」です。男性裁判官が、育児休業をとることは想定されていません。

「1条 この法律は、育児休業に関する制度を設けて子を養育する裁判官の継続的な勤務を促進し、もって裁判官の福祉を増進するとともに、裁判事務等の円滑な運営に資することを目的とする」

「2条 裁判官は、最高裁判所の承認を受けて、育児休業(裁判官が、この法律の定めるところにより、その3歳に満たない子を養育するため、その子が3歳に達するまでの期間内において、職務に従事しないことをいう。以下同じ。)をすることができる。」

「4条 育児休業をしている裁判官は、裁判官としての身分を保有するが、その育児休業の期間中報酬その他の給与を受けない」

「第5条の2 育児休業をしている裁判官には、第4条の規定にかかわらず、国家公務員の育児休業等に関する法律の適用を受ける職員の例に準じて、最高裁判所の定めるところにより、期末手当又は勤勉手当を支給する」
 ボーナスももらえるようになったんですね。

 いずれにせよ、女性が裁判官、弁護士に進出されることは、好ましいことだと思っています。
 男性と違って「いい加減な」ところがないですからね。双方例外はあるでしょうが・・
 私は、女性の検察官にあたったことは、今まで一度もありませんから(すべて男性でした)、検察官に女性が向いているかどうかはわかりません。

 なお、最高裁判所は平成25年12月25日、平成25年12月に司法試験に合格して司法修習を終えた修習生2034人(66期)のうち96人を判事補に採用することを決めました。
 女性の割合は過去最高の39.58%(38人)です。
 これにより、裁判官3718人中女性裁判官は703人となり、過去最多となります。
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