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2013年バックナンバー

近鉄と阪神の直通特急

近鉄と阪神は、賢島駅と阪神三宮駅を結ぶ直通特急について、伊勢神宮の式年遷宮のクライマックス「遷御の儀」(平成25年10月)までに投入するという計画を立てて、交渉していました。
 実現していないことは、ご存じのとおりです。

 近鉄と阪神は平成21年3月、阪神なんば線の開通により、近鉄奈良と阪神三宮間の相互乗り入れ運転を開始しています。

 近鉄も阪神も、難波に駅があります。
 線路の幅も、「標準軌」で同じです。
 近鉄奈良と阪神三宮間の相互乗入れ運転は開始されています。

 さて、何の問題があったのでしょうか。

 近鉄奈良と阪神三宮間の相互乗入れ運転がなされているのは、快速急行電車のみです。
 近鉄も阪神も、快速急行電車の特急・急行料金は必要ありません。
 ですから、問題なく相互乗入れ運転がなされました。

 近鉄と阪神との賢島駅と阪神三宮駅を結ぶ直通特急となれば話は違います。
 阪神は、特急料金はとりません。
 近鉄は特急料金をとります。

 料金設定をめぐり、近鉄は、特急料金を上乗せする方向で調整しようとしたようです。
 阪神は、特急料金をとるということに難色を示しました。
 結局話がまとまりませんでした。
 また、阪神側の線路に乗り入れる特急車両の改造時間を考慮しても、式年遷宮の中心的な儀式の「遷御の儀」までの運行は間に合いませんでした。

 三宮-大阪難波間で車両を旅行代理店に貸出して団体旅行扱いで運行し、大阪難波-賢島間を通常の近鉄特急として運行する案も浮上したが、近鉄は「単発の旅行商品でなく継続的に運行したい」との意向で、当面は実現する見通しはなさそうです。

 ただ、いずれ実現するとは思います。

 関西を走ってる私鉄で特急券がいる鉄道会社は、近鉄と南海です。

 近鉄は、特急と名がつけば特急料金をとります。長距離を走りますから、特急の値打ちはあります。

 南海は、関西国際空港行きの特急・ラピートは500円(普通席)の全席指定で、特急料金をとります。
 和歌山・なんば間の特急サザンについては、8両のうち4両は「サザンプレミアム」として座席指定の特急料金をとり、残り4両は、自由席で特急料金はとりません。
 500円の特急券の必要な4両は「すかすか」、特急券のいらない4両は「すし詰め」という電車をよく見ます。
 和歌山・なんば間の特急サザンは60分しか走行しません。

 関西を走ってる私鉄で特急券がいらない鉄道は、京阪、阪急、阪神です。
 特急であっても、JRでいう快速や新快速にしか該当していないと考えているわけで、あくまでも普通の列車なので料金は取らないというわけです。
 実際、車内での検札などできるものではありません。

 私が通勤に使っている阪急神戸線の特急は、梅田を出て、十三、西宮北口、夙川、岡本と停車して、三宮に着きます。
 何が「特急」かということですね。
 京阪、阪神も同じです。


 ところで、近鉄奈良と阪神三宮間の相互乗入れしても、通しで利用する乗客はいるのかという疑問があるかも知れません。
 間違いなくいます。
 私は、朝の法廷・調停で奈良地方・家庭裁判所に行くとき、自宅から阪神西宮までバスで行き、阪神西宮から近鉄奈良まで70分間乗ります。
 難波で、ほぼ全員降りるというわけではなく、乗続ける人も若干います。

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