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2013年バックナンバー

中国と北朝鮮崩壊リスク

北朝鮮は、平成25年2月12日に核実験を決行しました。

 国際社会からの非難が相次ぎ、国連安全保障理事会も「適切な措置」を取るとして新たな制裁を検討しています。


 北朝鮮が、自国民の餓死などを無視して、核開発に突進む理由は難しくありません。
 現指導体制の維持をするためです。
 アメリカなどが、独裁政権の転覆にかかるかも知れません。
 イラクは、皮肉にも「核を持たなかったから」アメリカに攻撃され、フセイン独裁体制が崩壊しました。
 イラクが核を持っていて、核ミサイルで他国を攻撃できる状態にあれば、そう簡単に、アメリカに攻撃されることもなかったでしょう。


 中国が、北朝鮮の現政権の延命をはかるような行動に出ている理由はどこにあるのでしょう。
 中国が、経済制裁すれば、北朝鮮は、いとも簡単に崩壊します。
 北朝鮮間の、貿易額全体に占める、中国の割合は83%を上回るとのことです。


 北朝鮮が核兵器により中国を攻撃する可能性は低く、むしろ、中国は、北朝鮮が核を保有することによって、日本や韓国などが核保有や軍備増強の方向へと進むことを恐れているはずです。

 北朝鮮の現政権が崩壊すると、北朝鮮難民が、国境を越えて押寄せてくることが、最も具体的かつ現実的な脅威です。
 難民が流入してくれば、経済的コストはもちろん、朝鮮族が多く住む地域(中国には結構な数の朝鮮族が少数民族としています)に、北朝鮮の人々が押し寄せることによって、政治的不安定がもたらされる危険もあります。

 北朝鮮は中国にとって、韓国に配備されている米軍への防壁となっています。
 北朝鮮の崩壊や、韓国による朝鮮半島統一という事態は何としても避けたいところです。
 中国にとっては、北朝鮮の崩壊を防ぎ、北朝鮮に中国の影響力が及ぶようにしておく必要があるのです。

 朝鮮半島(韓半島)は、大切な「緩衝地帯」です。
 「Korea大好き」、「大好きなKoreaは2つあった方がいい」と考えているのは、日本やアメリカだけではありません。
 中国も同じ事です。
 日本やアメリカは、北朝鮮による統一を恐れ、中国は、韓国による統一を恐れています。

 日本の日清、日露戦争も、朝鮮半島(韓半島)は、大切な「緩衝地帯」である朝鮮半島(韓半島)を得るための戦争であったという一面を否定できません。
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