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2013年バックナンバー

ドイツの連邦議会議事堂

現在の民主主義国家は、主権在民です。

 日本のように、大統領制でない国、大統領が政治的実権を持っていない国の場合、国民が一番上、国会、内閣、裁判所が、国民の下に並びます。
 大統領制で、大統領が政治的実権を持っている国の場合、国民が一番上、大統領、国会、裁判所が、国民の下に並びます。

 日本の国会議事堂は、国民が国会の上にあるということが、視覚的にわかりにくくなっています。
 国会が国民の上にあるかのようです。

 国民が国会の上にあるということが、視覚的にわかりやすい国があります。
 ドイツの連邦議会議事堂です。

 ドイツ連邦議会議事堂の屋上に透明なドームがあります。
 連邦議会議事堂の東には、たいてい長い行列が出来ています。
 誰でも、入口からすぐにエレベータで屋上に上がり、ガラスドーム内に入れます。

 セキュリティーは、テロなどを配慮して、かなりきびしいものです。
 ドーム内は、見学者のための通路がめぐらされていて、眼下に連邦議会議事場を下に見るようになっています。
 ドーム内の見学者に、いつでも連邦議会議事場を見せて、開かれた議会政治をアピールするとともに、国民が上、連邦議会が国民の下ということを視覚的に訴えています。


 ドイツ連邦議会議事堂は数奇な運命に翻弄されてきました。

 1933年に不審火によって炎上し、ナチスドイツは再建しないまま、第二次世界大戦の終結をむかえました。

東西ドイツに分割されたとき、ドイツ連邦議会議事堂は、西ドイツの区域内にありましたが、旧西ドイツではラインの臨時首都ボンに「ドイツ連邦議会議場」が建設されました。
 まさか、連邦議会議事堂をベルリンにおくわけにはいきません。
 西ベルリンにあった国の中央機関は、公正取引委員会(Kartellamt)くらいでした、
 ボンは、ほとんどフランス寄りで東ドイツから最も遠く、念の入ったことに、連邦議会議事堂はライン川の左岸で、橋さえ落とせば、戦車が来られない位置に建てられました。

 統一後、首都をどこにするかという議論があったのですが、やはり、ベルリンに戻しました。

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