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よもやま話 バックナンバー2/2

先日付

お菓子や肉などの食品の「製造日」を「先日付」にして、あたかも、「新鮮」であり、賞味期限・消費期限は「まだ先ですよ」というようにごまかす業者が指弾をあびています。

 ところで、法律の世界では、先日付は珍しくありません。

 昔は、「準備書面」などは、「口頭弁論期日」の「準備のための書面」であり、陳述されるのは「口頭弁論期日」であって、陳述以前に法的効果はなく、 前もって「準備書面」を出しておいても「日付」は、陳述される「口頭弁論期日」とするべきであるという解釈が一般でした。
ということで、準備書面は、原則「先日付」となっていました。
 昔は、書記官が、手書き・ゴム印で口頭弁論調書をつくるっていたのですが(今は、パソコンで印刷。伝統的に、破産部以外は「一太郎」が多いです)、「本日付準備書面陳述」というゴム印の使用が多く、「昭和○年○月○日付準備書面陳述」の使用は例外でした。

現在は、伝統的に「口頭弁論期日」を記載する弁護士もいれば、「作成日」を記載する弁護士もいます。
 前者のメリットは、誤って作成日を空欄で提出するという「失態」を防ぐことができるということであり、デメリットは、同一期日に複数の準備書面を提出すると、区別がつかなくなる(なお、現在「第○準備書面」と付記することが多いですから、そのデメリットは減ってきてます)、後者のメリットは、同一期日に複数の準備書面を提出しも何の問題もないということであり、デメリットは、誤って作成日を空欄で提出するという「失態」をする可能性があるということです。
 なお、裁判所提出の書面に「吉日」などと書けば、「何考えてるんや」とばかにされますし、「月」で止めれば、「書類不備」です。


ちなみに、よく見るのが、振出日を先にした「先日付小切手」です。
  法的には、「先日付小切手」を、いつ呈示してもかまいません。
 もっとも、通常は、授受の際に「先日付」の日付に呈示するという合意があるでしょう。しかし、呈示され、当座預金が不足していれば不渡りです。「訴えてやる」といったところで、自社の信用はがた落ちです。
 小切手の転々流通はしないのが普通ですが、第三者が知らずに呈示して、当座預金が不足していれば不渡りです。

 私は、what's newに10時ころ、平気で翌日の日付を入れることがあります。
 午後12時には寝ていることが多いこと、自動設定をするのは面倒なことからです。

 食品に比べて、病気になる心配がありませんから、「笑って許して」ください。

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