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よもやま話 バックナンバー2/2

長期休暇の有用性

銀行員は、普段は忙しそうにしていても、盆の期間中は、企業の休みが多いため、銀行員が長期休暇をとるケースが多いようです。

 銀行員に長期休暇をとらせる目的は、単に取引企業が休暇中でヒマであるだけという理由はなく、他にも理由があると考えられています。

 端的にいって、横領等の不正をするのを予防する、あるいは、横領をされてもその被害額を最低限度に抑える目的があるようです。

 つまり、ある銀行員が横領をしていたとします。
 その銀行員が、年がら年中、同じ業務に従事している場合、不正が発覚するのが遅れることがあります。通常、あるところで不正をすると、それを糊塗するため、絶えず、その不正を発覚しないようにするため、他の不正を続けなければならないことが多いのです。

 銀行員に長期休暇を取らせ、当該銀行員の仕事を一時的に他の銀行員にさせれば、その時点で、不正が発覚するということになります。


 ということで、銀行など金融機関に限らず、金銭出納を担当している職員の横領等の不正が長期間にわたり、被害金額が大きくなると、上司など責任者が「まさか、あの行員に限って、横領をしているとは思っていなかった」「休暇なども取らず、毎日毎日一生懸命仕事をしていた」というコメントがなされることがありますが、単なる「まぬけ」で、監督者としては失格です。

 逆に、休みを全く取らず出勤して仕事をしないと、不正を糊塗できない、不正が発覚しない「ため」に、休みを全く取らずに仕事をしていたということになります。。

 会計担当者は、適宜交代させないと、被害額が大きくなります。
 また、適宜交代させるのが難しい場合は、長期休暇を定期的に強制的に取らせ、他の従業員がチェックすることが望まれます。


 なお、地位権限が上で、裁量の幅が大きい役職員が、多額の横領をするというのであれば話は分からないわけでもないのですが、日本の場合、地位権限が下位であるのに、横領金額がとてつもなく大きいということがあり、これは、 不正を発覚させるシステムに欠陥があるということになります。

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