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よもやま話 バックナンバー2/2

東京大学卒業者

高等裁判所は「大阪高等裁判所」「東京高等裁判所」など、地名が頭につきます。
 地方裁判所も「大阪地方裁判所」「東京地方裁判所」など、地名が頭につきます。
 ちなみに、「知的財産高等裁判所」は、東京高等裁判所に設置された特別の支部です。

 ということですが、最高裁判所は、東京都千代田区にあるのに「東京最高裁判所」といいませんね。

 なぜでしょうか。

 簡単ですね。高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所は複数あるから区別するために、地名を頭につけていますが、最高裁判所は、日本に一つしかありませんから、区別をする必要がないため、地名をつけていないだけです。

 ですから、将来、最高裁判所が複数できれば「東京最高裁判所」「大阪最高裁判所」という名前が付くことになります。もちろん、可能性は「0」です。

 複数できたため、地名をつけた例をご存じでしょうか。

  「東京大学の沿革」 を見てください。

 明治19年3月に「帝国大学」ができました。
 これは、東京に1つしかありませんから、「東京帝国大学」と呼ばれず、単に「帝国大学」と呼ばれていました。

 「帝国大学」が、「東京帝国大学」になるのは11年後、京都に帝国大学をつくることになったからです。
 それまでの「帝国大学」は「東京帝国大学」に、京都に新設された帝国大学は「京都帝国大学」と、同時に地名が付けられたわけです。

法曹界の人でも、「京都大学」の人は親密です。
 「京都帝国大学」「100周年」記念行事を派手にやっていました。

 方や、「東京大学」出身の法曹は、定期的に集まったりしません。誰が大阪弁護士会所属の東京大学出身者か、名簿すらありません。お互いに、大学の同窓であることがわかっても、「ああ、そうでしたか」と言うくらいです。せいぜい「何年のご卒業でしょう」と訪ねる人は丁寧な人です。

「京都帝国大学」「100周年」記念行事を見ながら、「帝国大学」が「東京帝国大学」と名前が変わった日くらいしか関心がありません。
 私の大学の先輩が「何を騒いでいる」と、ぼそっと言ったのが印象的です。

 ここまでは、前振りで、本論はここからです。
 大阪弁護士会長選挙は、3人が立候補して「真っ盛り」です。
 私は、 「友新会」 という会派に所属していて(大阪弁護士会に7会派あります)、友新会も候補者を立てていますから、私も、末端ながら、投票依頼をしています。

 そこで不思議に思ったのが「私は早稲田出身だから○○さんか、○○さんに入れる」という方がおられることです。
 3人のうち2人が早稲田出身なんですね。

 と、ふと思うと、去年選挙がありました。
 1人が東京大学出身、1人が関西大学出身で、関西大学出身者が現会長です。結構関西大学出身者の結束は堅く、ずいぶん票を持っていったようです。
 私は、候補者の会派いずれにも属していないので「草刈り場」となり、1月は、ずいぶん余分な電話や、余分な訪問があり、むげに門前払いというわけに行きませんから(来年は私が依頼する番です)時間を食われ往生しました。
その理屈で言うと、東京大学の先輩や後輩から、投票依頼の電話が1本あっても良さそうですが、全くありませんでした。
 東京大学だけは特別なんですね。出身者どおしは全くの没交渉。東京大学出身者だけで「群れたり」しません。
もっとも、私自身お世話になったことがあり、大学の先輩に投票しましたが落選してしまいました。

そのうち、私の卒業した和歌山県立桐蔭高校の出身者が、大阪弁護士会の会長選挙に出るかも知れません。
 和歌山県立桐蔭高校出身の法曹は、「和中(桐蔭高等学校の前身は和歌山中学です)・桐蔭法曹同窓会」など定期的に集まったりしています。
 そのときは「先輩」という理由で投票すると思います。

 やはり、マイノリティーは、群れたがるのでしょうか。
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