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よもやま話 バックナンバー2/2

本末転倒な経費節減

経費節減を実行している企業は多いでしょうね。

 もっとも、経費節減を「しすぎる」のも考え物です。

 私が一番「愚かな」「経費節減対策」として考えるのは、コピー用紙の「裏」を再利用するというものです。

 理由はいくつかあります。
1 コピー用紙は、1枚「銭」単位のものです。
  何十枚集まろうが、何千枚集まろうが、1万枚集まろうが「福沢諭吉」1枚に及びません。
2 まぎらわしいです。
  最近は両名印刷がはやっていますから、裏に何か書いていると見てしまう癖がついてしまっています。全く関係のない書類をみるのは時間の無駄です。
3 秘密漏洩の可能性があります。
  裏に、重大なコピーがされていて、余部を再利用すると、外部に出した段階で、秘密が外部に流失します。
  なお、私自身が経験したことで、大規模な弁護団の事件ですが、打合わせの際、資料の裏に当該法律事務所の「保管金口座」のコピーがありました。
  他の弁護士に、どこから入金があったか、いくら入金があったか、そして、いくら送金したか、いくら個人口座に振り替えしたか=報酬はいくらか、などが「丸わかり」です。
  私は、気づいてから、すぐに差し替えるよう、その事務所の弁護士さんに言ったのですが、知らないふりをして、裏ばかり見ていた弁護士さんがいたかも知れません。


 なお、経済的観点からだけではなく、環境対策という点から、再生紙の問題が提起されています。

 コピー用紙の「裏」を再利用は、「環境にやさしい」かもしれません(そうでないという人もいます)、紙1枚の環境に与える影響と、事務の効率低下、また、最悪の場合の秘密漏洩により生じうる損害とを比較されれば、答えは自ずから明らかなように思います。
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