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よもやま話 バックナンバー2/2

休暇の取り方あれこれ

 

 ドイツ人の休暇・バカンス(Urlaub)は、日本人と根本的に違います。
 ドイツ人だけに限らず、西欧・北欧諸国共通です。

 まず、単位が、2週間、3週間、4週間と半端ではありません。
 それだけ時間があるのなら「さぞかし、いろいろ行けるだろう」と考えるのは日本人的発想です。

 浜辺で寝転がったり泳いだりと、本当に何もしない、純粋なバカンスを楽しんでいます。
 職業は問いません。裁判官も平気で複数週間休んで、旅先で何もせず暮らします。
 また、レストランめぐりをして楽しむということはなく、Halbpension(朝夕2食付き)やVollpension(朝昼晩3食付き)が、通常です。
 フライト代と、ホテル代と、安い食事代だけが基本ですから、値段も安い・・

 場所も、コスタ・ブラバやコスタ・デル・ソル ( スペイン)、カナリア諸島(スペイン)、バレアレス諸島 ( スペイン)、テネリフェ島(スペイン)、イビサ島(スペイン)、マヨルカ島(スペイン)、シチリア島(イタリア)、テルアビブ(イスラエル)、キプロス( キプロス)、クレタ島 (ギリシャ)、サントリーニ島(ギリシャ)、ロードス島(ギリシャ)、ミコノス島(ギリシャ)など、日本人からすれば「マイナー」で、「何もない」ところです。
 島が多いでしょ。基本的に、どこへも行けません。
 本当に何もしない、純粋なバカンスなら、まばゆい日の光と、海・海岸などがあれば十分です。また、冬の間太陽にふれる機会がないので、その分取戻そうとしているのかも知れません。
 日本人ツアー客は、ギリシャでのエーゲ海を1日に3島まわるという強行スケジュールを好みます。
 船の座礁にあったりなど事故があると、日本人観光客が「いや」というほど乗ってます。

 私が留学期間中に休暇に行ったのは、スペインのコスタ・ブラバ(直訳すれば「白い海岸」)のトリモリノスという町です。1982年現在で、結構立派なコンドミニアムが800万円、当時は通貨はペセタで、物価も安かったです。
 といいながら、悲しいことに日本人の習性で、デュッセルドルフの空港からマラガ経由でトリモリノスのホテルに着いた後、電車を使って、1週間で、マドリード、トレド、セビリア、グラナダを駆け足で回わった記憶があります。


 もとろん日本人には「何もしない」との時間の過ごし方はできません。
 せっかく短期間だけど、まとまった休暇が取れたので、忙しく、名所・名跡をあっちこっちめぐって、土産物を買って、美術館を訪れるなど、なにかしら「動いていないと」落ち着きません。
 日本の海外旅行のツアーなど、観光地が「てんこ盛り」で、旅行客が、前のめりになって、引きずり回されています。めったにない「フリータイム」にも、オプショナルツアーが組込まれていて「行かなきゃ損」という感じで「休む間もない」参加者が多いようです。

 どちらがいいか、こればかりは、価値観の相違でしょうね。

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