よもやま話 バックナンバー2/2
鳴かぬなら
有名な童謡に「カナリヤ」というのがあります。
唄を忘れたカナリヤは
後の山に棄てましょか
いえいえ それはなりませぬ
唄を忘れたカナリヤは
背戸の小薮に埋めましょか
いえいえ それはなりませぬ
唄を忘れたカナリヤは
柳のムチで ぶちましょか
いえいえ それはかわいそう
唄を忘れたカナリヤは
象牙の船に銀の櫂
月夜の海に浮かべれば
忘れた唄を思い出す
(西条八十・詞)
なかなか寛容な詞ですね。
子供は、いつの世にも残酷なもので「いえいえ それはなりませぬ」や「いえいえ それはかわいそう」は問題外とばかりに、「いえいえ それは生ぬるい」と口ずさんでひんしゅくを買っていた小学校の同級生がいました。地元の中堅会社に就職したそうですが、その後、どうなっているのでしょうか。
案外、出世しているかも知れません。
鳴かないといえば、以下の3武将が有名です。
信長の「鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす」
秀吉の「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ほととぎす」
家康の「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす」
なにか、この前のテレビのクイズ番組で、3武将が詠んだ句ではなく、後の人が、「この武将なら」「詠みかねない」とつくった句であると放送してました。確かに、3武将が、五七五の「七」の部分だけかえた句を詠むというのは不自然ですね。