よもやま話 バックナンバー2/2
好きなものから食べる人
フランス、イタリア料理などのコース料理なら、いやおうなしに順番に食事が運ばれてきますから、運ばれてくる順番で食べなければなりません。
旅館の食事など、いっせいに、食卓に盛りつけられる場合もあります。
好物から先に食べる人がいます。
好物を残して最後に食べる人もいます。
順繰りに、少しずつ食べていくという人もいます。
好物から先に食べる人に聞いてみると、「おいしいものはおなかのすいているうちに食べたい。おなかがいっぱいになってから食べたのでは味がわからなくなる」という人が多いですが、中には「いつ何時死ぬかも知れない。先に好物から食べておく」という人もいます。
好物を最後に食べる人は「最後においしいものでしめたい」という人が多いようです。
今ほど子供が少なくなく、食べるものも「いやというほど」なかった時代の兄弟間の「生存」競争がはげしかった人は「好物から先に食べる」派、一人っ子は「好物は残す派」かも知れません。
鍋などをすると、人柄が出ます。
他人にかまわずおいしい食材を食べる人、他人に気遣いながら、食材の数を勘定して頭割り以上のものを食べない人など・・
そういえば、私は鍋で「痛い経験」をしたことがあります。
おいしい高価な食材ではなく、遠慮するつもりで、野菜類を一生懸命食べていたのですが、私は、野菜があまり煮えすぎるのが嫌いで、できるだけ、原型に近いと野菜を食べたいという習慣があります。
ということで、弁護士仲間で鍋をつついていたとき、誰もが肉を食べようとするなか、相手に言わせたら「生煮えの野菜」を主として遠慮がちに食べてたら、「野菜を煮える前に食べないでいてほしい。食べごろまで煮えるのにじっくり待っているのに、その前に、持ってかれる」と不満をいいました。「え!」
食べ物の恨みは怖いですからね。